置石(読み)おきいし

精選版 日本国語大辞典「置石」の解説

おき‐いし【置石】

〘名〙
① ある場所に石を置くこと。また、その石。とくに、線路に置かれた石をいうことが多い。
② 風致をよくするために、庭などに配置した石。
※妻(1908‐09)〈田山花袋〉一三「置石の処々に伽羅(きゃら)と丸ヒバの大きいのが綺麗に刈込まれてある」
軒下雨だれを受けて流すために置いた敷石。砌(みぎり)の石。
※花営三代記‐応永三一年(1424)正月一日「畠山中務少輔持清直垂にて於置石参会」
囲碁で、弱いほうの人があらかじめ二目以上星に置くこと。また、その石。
中世関税の一つ。鎌倉後期、朝廷が摂尼崎・渡辺等のに寄港する船舶から、港湾の修理料に充てるため徴集したのがはじまり。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「置石」の解説

置石
おきいし

(1) 築庭のかなめとして据えられる石。 (2) 囲において,強者に対し弱者があらかじめ2目以上置いた石。 (3) 船貨物に課せられる関税の一つ。これは鎌倉時代以降,港湾に設けた関所において,船舶,貨物から徴収した通関料で,特に兵庫 (→兵庫関 ) では,西国からの上り船に対しては升米を,西国への下り船の積載物に対しては,1石別1升の割合で,置石と称する防波堤の築石の費用という名目の税を徴収した。 (4) 寿永1 (1182) 年,源頼朝によって築造された,鎌倉の若宮大路両側を高くするために置かれた石。

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デジタル大辞泉「置石」の解説

おき‐いし【置(き)石】

趣を添えるために庭園などに置かれる石。
囲碁で、弱いほうが前もって二子にし以上の石を置くこと。また、その石。
鉄道のレールの上に置いた石。線路上に石を置くこと。「置き石事件」

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世界大百科事典内の置石の言及

【段葛】より

…《吾妻鏡》の寿永元年(1182)3月15日条に源頼朝が妻政子の安産祈願のために御家人等に築かせたと記されている。近世には段葛もしくは置石と呼ばれており,今もこの両側には置石の地名を残す。《鶴岡社務職次第》では七度小路,《梅花無尽蔵》では千度小路,千度壇と称している。…

【津】より

…これらは河海による交通障害の多い地理的条件におかれた日本中世の交通網と都市類型の歴史的特徴である。津は通関税である津料(勝載料,官食料,置石,升米,帆別銭などとも),またある場合は,それと市場税をあわせた市津料を徴収した。中世において,その得分が荘園本所から地頭にいたる領主諸階級によって分配されたことはいうまでもないが,同時に,一定部分が津の諸施設の維持・修理のためにも使用された。…

【鶴岡八幡宮】より

…同年3月には政子の安産を祈願して社頭から由比ヶ浜に至る参道が築き直された。これを置石(おきいし)とか段葛(だんかずら)と呼ぶ。しかし91年(建久2)3月の大火で同宮も焼失したため,同年末には現在の位置にあたる高台を選定し,新しく石清水八幡宮を勧請して以前よりも大規模な社殿を建立した。…

※「置石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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