羽村市(読み)ハムラシ

デジタル大辞泉 「羽村市」の意味・読み・例文・類語

はむら‐し【羽村市】

羽村

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日本歴史地名大系 「羽村市」の解説

羽村市
はむらし

面積:九・九一平方キロ

武蔵野台地の西端に位置し、大部分は立川段丘面上に立地している。西から北にかけては青梅おうめ市、東は西多摩郡瑞穂みずほ町、南は福生ふつさ市・あきる野市に接する。市域の南西端を多摩川が北西から南東にかけて流れ、はね羽村堰より玉川上水を分流する。西部から中央部を多摩川と並行するように奥多摩街道・新奥多摩街道(ともに主要地方道立川―青梅線)、JR青梅(明治二七年青梅鉄道として開設)が走る。

〔原始〕

市域において旧石器時代の遺跡は確認されていない。縄文時代の遺跡は、多摩川によって形成された河岸段丘上に点在する。精進しようじんバケ遺跡は中期中葉から末葉にかけての集落跡で、直径約一〇〇メートルの環状を呈する。多量の土製円盤が出土したほか、住居内の炉跡などから小獣骨片も検出されている。天王台てんのうだい遺跡は中期中葉の集落跡で、住居跡床面直上より狢沢式・新道式・阿玉台式の深鉢が並んだ状態で出土。山根坂上やまねさかうえ遺跡は市域の代表的な遺跡で、中期後半を中心に営まれ、中央に広場をもつ直径約一五〇メートルの環状集落である。半円形に巨大な河原石を配した配石遺構や、土偶・釣手土器・土鈴などの出土から祭祀性の強い集落像が浮び上っている。さらに坑底部に敷石を施した集石土坑も多数検出された。羽ケ田上はけたうえ遺跡は中期中葉を中心とする山根坂上遺跡と時期的に補完関係にある集落跡で、中期後半の住居跡も検出されている。弥生時代の遺構・遺物は検出されておらず、根搦前ねがらみまえ遺跡からは古墳時代後期の坏や小型壺などが発見されている。

〔中世〕

律令制下は多摩郡に所属したとみられる。中世後期にはそま長淵ながぶち郷に属しており、小佐久おざく村・羽村が存在した。当市域を含む杣保は、平将門の後裔を自称する三田氏の領有下にあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羽村市」の意味・わかりやすい解説

羽村〔市〕
はむら

東京都西部にある市。多摩川中流左岸の段丘上に位置する。西多摩村の一部であったが,1956年名称変更後町制施行し,羽村町となる。 91年市制。承応3 (1654) 年玉川上水取入れ口として羽村堰が設けられた。これは現在も多摩川から東京への上水道の取入れ口となっている。 JR羽村駅の東側には都の史跡である「まいまいず井戸」の跡がある。自動車,電機関係の工場が立地。野菜,花卉栽培も行われる。市域西部,多摩川南西岸沿いの丘陵一帯は羽村草花丘陵都立自然公園に属する。 JR青梅線が通る。面積 9.90km2。人口 5万4326(2020)。

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