習う(読み)ナラウ

デジタル大辞泉 「習う」の意味・読み・例文・類語

なら・う〔ならふ〕【習う/慣らう/×馴らう】

[動ワ五(ハ四)]
教わったことを繰り返し練習して身につける。けいこする。「夜ふけに一人ダンスステップを―・う」
知識技術などの教えを受ける。教わる。学ぶ。「父から将棋を―・う」「中学で―・った先生
経験を積んで、なれる。習慣となる。
「心ざしはいたしけれど、さるいやしきわざも―・はざりければ」〈伊勢・四一〉
慣れ親しむ。
「かく久しく遊び聞こえて―・ひ奉れり」〈竹取
[可能]ならえる
[類語]学ぶ教わる修める修する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「習う」の意味・読み・例文・類語

なら・うならふ【習・慣・馴・倣】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. いままでにしばしば体験して常のこととなっている意を表わす。また、動詞の連用形に付いて、…するのを常とする、…しなれている、の意を添える。
      1. (イ) なじみとなる。熟達する。なれる。なれている。
        1. [初出の実例]「余(をのれ)年幼(わか)ふ識(さとり)(すくな)くして未だ政事を閑(ナラハ)ず」(出典日本書紀(720)欽明即位前(寛文版訓))
      2. (ロ) 習慣となる。癖になっている。
        1. [初出の実例]「さらば、取りおろして。例の、はひぶしにならはせ給へる御前たちなればとて、まかなひ騒ぐ程に」(出典:枕草子(10C終)九九)
    2. なれ親しむ。親しくなる。
      1. [初出の実例]「かの国の父母の事も覚えず、ここにはかく久しく遊び聞えてならひ奉れり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    3. ( 倣 ) すでにある事、類似のことなどにまねる。追従する。模倣する。従う。準ずる。
      1. [初出の実例]「能(よ)く許曾(こそ)〈此の二字は音を以ゐる〉神習はめ」(出典:古事記(712)中)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 習 ) 繰り返し経験することによって身につける。
    1. 体験する。体得する。
      1. [初出の実例]「故みこの御山住みを見そめ給ひしよりぞ、〈略〉なべての世をも思ひめぐらし、深き情けをも、ならひ給ひにける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
    2. 学習する。習得する。まなぶ。
      1. [初出の実例]「躬(み)には梵言を習(なラヒ)、毗尼の奥旨を覧(み)たり」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
    3. 稽古する。訓練する。
      1. [初出の実例]「時に、近江国、武(つはもの)を講(ナラフ)。又多(さは)に牧(むまや)を置きて馬を放つ」(出典:日本書紀(720)天智七年七月(北野本訓))

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