職親(読み)ショクオヤ

デジタル大辞泉 「職親」の意味・読み・例文・類語

しょく‐おや【職親】

年少者が就職するとき、その者に家族がいなかったり、保護者に生活能力がなかったりした場合、それに代わって保証人になる人。

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精選版 日本国語大辞典 「職親」の意味・読み・例文・類語

しょく‐おや【職親】

  1. 〘 名詞 〙 仮親一つ
  2. (イ) 生業に従事するものが職業上結ぶ親方子方関係における親方。
  3. (ロ) 就職する際に適当な保証人が得られない年少者の保証人。
  4. (ハ) 一八歳以上の知的障害者を自分ところ預かり将来の独立自活に必要な職業上の指導訓練を行なう事業主などの民間人

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「職親」の意味・わかりやすい解説

職親
しょくおや

東北地方の鉱山で山子(坑夫)の親方を「職親」とよんだ。そのオヤカタ・コカタの契約を取り結ぶ手続をオヤコサカズキといって、かなり厳しい作法があった。そして、職親に山子は全面的に奉仕するかわりその庇護(ひご)を受け、同じ職親をもつ山子とも兄弟分として親しいつきあいをもった。本来職親は職人仲間の親方一般をさす呼び名らしいが、他職では単に親方、親分師匠というのが通例であって、職親の呼び名は一般化しなかったらしい。長野県北安曇(きたあずみ)郡で職人の親分を「かかえおや」といい、また伊豆諸島で船子に対して「船主」を「船親」とよんでいたのも同類の事例であろう。

[竹内利美]

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百科事典マイペディア 「職親」の意味・わかりやすい解説

職親【しょくおや】

知的障害者福祉法第16条に基づき,知的障害者を,自分の家庭に預かり,その更生に必要な指導訓練,職業指導を行うことを希望し,都道府県,市または福祉事務所を設置する町村の長が適当と認めるもの。児童福祉法第27条で定められている保護受託者を,職親と通称することもある。→里親

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世界大百科事典(旧版)内の職親の言及

【児童福祉】より

…里親制度の運営は〈家庭養育運営要綱〉に基づき児童福祉審議会の議を経て行われ,里子の斡旋は,児童相談所の業務の一つとなっている。また,保護者がいないか,保護者に養育されるのが不適当と認められる児童で義務教育を終わった者を,自己の家庭に預かるか自己のもとに通わせて保護し,その性能に応じ独立自活に必要な指導をする制度として保護受託者(職親)の制度がある。 児童福祉法の1990年の一部改正によって児童福祉居宅生活支援事業が新たに加えられた。…

【ナイト・ホスピタル】より

…しかし,独立に運営されているものはなく,入院患者の病院内作業療法の延長の形のもの,職業訓練,前職業的訓練の立場に立って,通勤形態として作業に従事させるものなどがある。精神病院から退院前の患者の前職業的訓練のために患者を受け入れ,または退院後の患者の職業訓練を行う特定の事業所を〈職親〉と称している。都道府県で,職親に対して若干の補助費を出しているところもある。…

※「職親」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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