デジタル大辞泉
「脱する」の意味・読み・例文・類語
だっ・する【脱する】
[動サ変][文]だっ・す[サ変]
1 好ましくない状態・境遇などからぬけ出る。のがれる。脱出する。「窮地を―・する」「旧弊を―・する」「煩悶から―・する」
2 加わっていた組織や仲間などからぬける。脱退する。「同盟関係を―・する」
3 抜け落ちる。もれる。「名簿に彼の名前が―・していた」
4 身につけているものをとる。ぬぐ。
「一寸と帽を―・して挨拶し」〈鉄腸・花間鶯〉
5 含まれているもの、つまっているものを取り除く。「コルク栓を―・する」「脱水機で水分を―・する」
6 仕上げる。原稿を書き終える。「稿を―・する」
[類語]抜け出す・脱出・脱却・脱走
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
だっ‐・する【脱】
- [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]だっ・す 〘 自動詞 サ行変 〙- ① ある物や、情況・境遇などから抜け出る。逃げて外に出る。
- [初出の実例]「高祖はそばになって罪を脱したぞ」(出典:史記抄(1477)一三)
- ② ある組織・仲間から出る。脱退する。
- [初出の実例]「宿老板垣伯〈略〉一たび立憲自由党を脱するに至れり」(出典:東京日日新聞‐明治二四年(1891)三月二五日)
- ③ ある境地・考え・気持から抜け出る。
- [初出の実例]「野狐を脱しをはりぬれば、本覚の性海に帰するなり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)大修行)
- 「この書余をして夢死より警覚せしめ、余を導て卑下の見識を脱せしめたり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四)
- ④ 漏れる。抜け落ちる。
- [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]だっ・す 〘 他動詞 サ行変 〙- ① 身につけているものを身体から放す。脱ぐ。また比喩的に、身についた汚点、臭いなどを消し去る。ぬぐう。
- [初出の実例]「褊衫および直裰を脱して、手巾のかたはらにかく」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗浄)
- 「時にこの小女(むすめ)死を軽んずること破れ草鞋を脱(ダッ)するがごとし」(出典:妙好人伝(1842‐52)初)
- ② 込められているもの、つまっているものなどを、その中から抜く。
- [初出の実例]「いつしか栓を脱(ダッ)せしと見え」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉七)
- ③ 特に、子を産み落とす。また、流産する。堕胎する。
- [初出の実例]「已に胎内の児を堕(ダッ)せんとしたる折節」(出典:読本・本朝酔菩提全伝(1809)五)
- ④ ( 未完成の状態を出る意から ) できあがる。終える。特に、原稿を書き上げる。
- [初出の実例]「結局悉(ことごとく)稿を脱(ダッ)して、全本となれり」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
- ⑤ 脱落させる。落とす。漏らす。
- [初出の実例]「必是は史記の本が字を脱したぞ」(出典:史記抄(1477)四)
脱するの補助注記
[ 二 ]③の意で、「読本・本朝粋菩提全伝‐一」には「いかほど月は満るとも子を脱(ダッ)す事奇妙にて」のような四段活用化したと見られる例がある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 