腹腔とは腹膜に囲まれた閉じられた空間で、下腹部では腸管、子宮、卵巣、卵管がなかにあります。通常は数十ml程度の腹腔内貯留液で満たされています。
腹腔鏡は腹壁に小さな
子宮を移動させるためには腟から子宮操作
腹腔鏡で観察される画像は大きなモニター画面に鮮明に映し出され、手術室にいる複数の医師などが同時に見ることができます。
腹腔鏡は、以前は不妊症の検査としての使用が一般的でしたが、最近は手術に使用することがはるかに多くなっています。手術を行う時には、下腹部に別にあけた小さな孔(3~5㎜)からさまざまな手術用の鉗子を挿入し、腹腔鏡で観察しながら手術操作をします。これを腹腔鏡手術といいます。
腹腔鏡手術では、これまでは開腹手術で行ってきた子宮外妊娠、卵巣
入院期間は、手術の内容によって日帰りから数日間までありますが、いずれにしても開腹手術よりは短期間で退院できます。腹腔鏡手術には、術後の回復が早い、傷が目立たず美容的である、術後の
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
皮膚を小切開して、へそ周囲から腹腔内へ小型の内視鏡カメラを挿入し、観察するために用いる内視鏡の一種。ラパロスコープともよばれ、臨床現場ではラパロと略称される。あらかじめ決まった角度に設定された硬性鏡と、先端が自由に回転してさまざまな観察が容易な電子スコープがある。従来は診断のための検査目的で、肝炎や肝硬変、肝臓癌(がん)や胆嚢(たんのう)癌、腹膜疾患などの生検、婦人科の卵巣や子宮など内性器疾患の検査などに用いられてきた。しかし1987年にフランスの産婦人科医ムレPhilippe Mouret(1938―2008)が腹腔鏡下で胆嚢摘出術を行って以来、欧米で腹腔鏡下手術が急速に普及するようになった。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…尿道鏡urethroscope,膀胱鏡cystoscopeは診断のほかに,後述の造影や手術のためにも広く利用されている。腹腔鏡laparoscopeは,日本では主として肝臓疾患の診断のために行われているが,ヨーロッパでは試験開腹の代り,あるいは不妊症の診断にも利用されている。胆道鏡choledochoscopeは,胆石の診断と,手術で取りきれなかった胆石の除去に用いられている。…
…婦人科領域で用いられる内視鏡をいい,またこれを用いた検査をさすこともある。子宮鏡(頸管鏡や卵管鏡も含む),腹腔鏡,胎児鏡,膀胱鏡などが含まれ,疾病の検査だけでなく治療にも応用され,さらに近年では,これら内視鏡による直視下での手術も試みられ,一部実用化されている。婦人科内視鏡では,映像伝達系にレンズを用いた硬性鏡が一般に用いられ,照明光は外部光源(ハロゲン灯,水銀灯,キセノンランプ)からグラスファイバーによって伝達され,内視鏡先端から局所を照明する。…
※「腹腔鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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