デジタル大辞泉 「自ずから」の意味・読み・例文・類語 おの‐ず‐から〔‐づ‐〕【▽自ずから】 [副]《「己おのつ(格助詞)柄から」の意》1 そのもの自体の力、成り行きに基づくさま。自然に。ひとりでに。おのずと。「この誤解は時が来れば自ずから解ける」2 偶然。たまたま。まれに。「―礎ばかり残るもあれど」〈徒然・二五〉3 (下に仮定・推測の語を伴って)もしも。ひょっとすると。万一。「―平家の事あしざまに申す者あれば」〈平家・一〉4 みずから。「―祈らずとも神ゐます宮のわたしは浪風なみかぜもなし」〈滑・膝栗毛・四〉[類語]自ずと・独りでに・自然 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「自ずから」の意味・読み・例文・類語 おの‐ず‐から‥づ‥【自から】 [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「己(おの)つから」の意 )① 物事がもとからあったそのままに。また、物事が行なわれていくうちにひとりでに。自然に。おのずと。[初出の実例]「是の後に生(あ)れし五柱の男子(をのこご)は、物実(ものざね)我が物に因(よ)りて成れり。故(かれ)、自(おのづか)ら吾が子ぞ」(出典:古事記(712)上)② たまたま。偶然に。まれに。[初出の実例]「わざと消息し、呼び出づべきことにはあらぬや。おのづから端つ方、局などに居たらん時も言へかし」(出典:枕草子(10C終)八)③ ( 仮定、推測の語句につけて ) もしかして。万一。ひょっとしたら。[初出の実例]「をのづからあり経ばとこそ思ひつれ憑(たのみ)なくなる我命かな」(出典:山家集(12C後)下)④ 自分自身で。みずから。[初出の実例]「もしすべきことあれば、すなはちをのづから身をつかふ」(出典:嵯峨本方丈記(1212))[ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 そのままであるさま。ひとりでに行なわれるさま。もとからあった。自然な。[初出の実例]「今は焼(や)けただれた面輪(おもわ)にも、自らなやさしさは、隠れようすべもあるまじい」(出典:奉教人の死(1918)〈芥川龍之介〉一)自ずからの補助注記( 1 )語尾の「ずから(づから)」は「み(身)づから」「手づから」などと共通で、連体格を示す「つ」と体言「から」。( 2 )「から」は柄・族で「本質的なありさま」「自然の(血の)つながり」と説明され、「おのずから」は「それ自身の本質によって」の意になる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by