自殺死亡率の略で、人口10万人当りの年間自殺者数。日本の自殺についての統計には、厚生労働省の人口動態統計と警察庁の自殺統計がある。人口動態統計は日本における日本人のみ、自殺統計は外国人を含んだ総人口を対象としていることなどから、それぞれの値は異なる。人口動態調査に基づく統計は1947年(昭和22)から、自殺統計は1978年から始まった。
自殺対策基本法(平成18年法律第85号)第10条の規定に基づき、日本における自殺の概要および政府が講じた自殺対策の実施の状況について、内閣府が年次報告書『自殺対策白書』を作成している。そこでは、人口動態統計と自殺統計のデータに基づき、日本の自殺の現状、統計の分析、対策について報告している。
人口動態統計に基づく自殺率の推移をみると、1958年の25.7を頂点とする最初の山を形成した後、1960年代後半には15を下回る水準に低下。その後徐々に上昇し、1986年に21.2を頂点とする二つめの山を形成し、1990年代は16~19の間で推移した。しかし1997年(平成9)の18.8から翌1998年には25.4に跳ね上がり、2003年(平成15)の25.5をピークとして高水準が続いた。2009年からは下降しており、2015年は18.5となっている。
『自殺対策白書』の分析によれば、1958年を頂点とする最初の山の要因として、戦前の価値観からの急激な転換といった、社会経済的な大きな変化により、悩みを抱える人が多かったためではないかとする説などをあげている。また、1986年を頂点とする二つめの山の要因としては、円高不況などによる中高年男性の自殺増加をあげ、1998年の急増の要因としては、バブル経済崩壊による影響をあげている。
また、同白書で報告されている2015年における年齢階級別にみた死因順位をみると、15~39歳の死因の第1位が自殺となっている。また、男女別では男性が10~44歳、女性では15~29歳の若い世代で、死因の第1位が自殺となっており、低年齢化が進行している。世界保健機関(WHO)資料により内閣府が作成した「先進7か国の年齢階級別死亡者数および死亡率(15~34歳、死因の上位3位)」(2014)をみると、その年齢における死因の第1位が自殺となっているのは日本だけで、その死亡率も他国に比べて高く、日本の若年層の自殺は国際的にみても深刻であるといえる。
[編集部 2017年10月19日]
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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