人口動態調査(読み)ジンコウドウタイチョウサ(英語表記)Vital Statistics

デジタル大辞泉 「人口動態調査」の意味・読み・例文・類語

じんこうどうたい‐ちょうさ〔‐テウサ〕【人口動態調査】

人口動態統計を作成するために、厚生労働省が毎月行う基幹統計調査市町村に提出される出生死亡死産婚姻離婚届出もとに集計する。全数調査。明治5年(1872)に始まり、明治32年(1899)に近代的な統計調査として確立した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人口動態調査」の意味・わかりやすい解説

人口動態調査
じんこうどうたいちょうさ
Vital Statistics

日本国内の人口動態事象把握し、人口および厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的とした調査。この調査により作成される人口動態統計は統計法上の基幹統計に位置づけられており、厚生労働省が毎年調査を実施し、公表している。「戸籍法」および「死産の届出に関する規程」により届け出られた出生、死亡、婚姻、離婚および死産の全数を対象として、毎年調査が実施されている。

 人口動態に関する調査は1872年(明治5)から行われており、第二次世界大戦前は内閣統計局(現、総務省統計局)によって実施されてきた。1945年(昭和20)の終戦後、制度の整備が行われ、人口動態調査をもとに作成される人口動態統計が1947年6月に指定統計に指定され、また同年9月に所管厚生省(現、厚生労働省)に移管された。その後、2007年(平成19)の統計法改正に伴い、現在の基幹統計に位置づけられた。

 明治初年から実施されてきた「人口動態」の調査とは別に、特徴的な調査として「人口動態社会経済面調査」があった。この調査は、現代社会の諸問題に対する施策への基礎資料を得ることを目的として、人口動態の背景となっている社会的・経済的諸要因の影響を統計的に調査するもので、1962年から厚生省において実施されてきた。これは、1年ごとに、出生、死亡、婚姻等の人口変動に与える影響が大きいと思われる調査テーマを設定して調査を行ったものであり、たとえば、調査初年度の1962年度調査では、出生について、「出生の状況を地域的関連から把握」することがテーマであった。1997年度(平成9)調査においては、「離婚家庭の子ども」が調査テーマとなっており、そのなかでは親権者の子供数、就学状況、離婚前後の収入状況、親権者の悩みなどについての調査が調査票記入方式で行われた。しかし、この調査は1997年度で終了となった。この調査の結果は、『人口動態社会経済面調査報告』として公表されてきた。

[飯塚信夫 2020年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android