自然法爾(読み)ジネンホウニ

デジタル大辞泉 「自然法爾」の意味・読み・例文・類語

じねん‐ほうに〔‐ホフニ〕【自然法×爾】

仏語
もののありのままの姿が真理にのっとっていること。
浄土真宗で、阿弥陀仏本願はからいの中に包まれていること。

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精選版 日本国語大辞典 「自然法爾」の意味・読み・例文・類語

じねん‐ほうに‥ホフニ【自然法爾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「自然」はおのずからそうであること、そうなっていること。「法爾」はそれ自身法則で、そのようになっていること ) 仏語。真宗で、自力をすてて如来の絶対他力につつまれ、まかせきった境界をいう。
    1. [初出の実例]「自然法爾事。自然といふは、自はをのづからといふ、行者のはからひにあらず、然といふはしからしむといふことばなり。しからしむといふは行者のはからひにあらず」(出典:末燈鈔(1333)五)

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四字熟語を知る辞典 「自然法爾」の解説

自然法爾

なんら人為的な力を加えることなく、おのずからの姿であること。また、その姿のまま救われることから、仏教で、自力をすてて如来の絶対他力につつまれ、まかせきったきょうがいをいう。

[使用例] 松は松の運命を、竹は竹の運命を現成し、その本来面目を発揮して自然法爾というところであろう[唐木順三*自然といふこと|1965]

[解説] 「自然」は本来そうであること、そうなっていること。「法爾」はそれ自身の法則にのっとり、そのようになっていること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然法爾」の意味・わかりやすい解説

自然法爾
じねんほうに

仏教用語。もとより,おのずから,しからしむるということ。特に,親鸞によって重視された言葉で,自己のはからいを打捨てて,阿弥陀如来の誓いにすべてを生ききること。

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世界大百科事典(旧版)内の自然法爾の言及

【自然】より

…《源氏物語》の〈わざと,ならいまねばねども,少し才(かど)あらん人の,耳にも目にも,とまること自然(じねん)に多かるべし〉(帚木(ははきぎ))なども同じであり,自然とはこのように人為的でなく,おのずからそうあることを意味する形容詞また副詞であった。こうした用法は後の親鸞の〈自然法爾(じねんほうに)〉や日本の朱子学において用いられる〈自然(しぜん)〉についても言える。安藤昌益の《自然真営道》においても,自然(しぜん)は〈自(ひと)り然(な)す〉活真(生ける真実在)というように,実在の自発自主の運動を意味する形容詞として用いられ,まだ天地万物を指す名詞になりきってはいない。…

※「自然法爾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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