日本大百科全書(ニッポニカ) 「臭化アセチル」の意味・わかりやすい解説
臭化アセチル
しゅうかあせちる
acetyl bromide
酢酸CH3COOHのヒドロキシ基-OHを臭素原子に置換した化合物。正しくは臭化エタノイルというが、一般的に臭化アセチルといわれている。刺激臭のある発煙性無色液体。酢酸または無水酢酸に三臭化リンを作用させて合成する。エーテル、ベンゼンには溶けるが、水とは激しく反応して酢酸と臭化水素になる。アルコールとも反応し酢酸エステルとなる。カルボニル基炭素原子上での反応により臭素原子が他の原子団と交換されやすいため、有機化合物にアセチル基CH3CO-を導入するアセチル化剤となる。塩化アセチルより反応活性はすこし低い。催涙性があり、皮膚、目、粘膜を刺激する。
[谷利陸平]
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臭化アセチル(データノート)
しゅうかあせちるでーたのーと
分子式 | C2H3BrO |
分子量 | 122.9 |
融点 | -96.5℃ |
沸点 | 75.9~75.95℃ |
比重 | 1.6625(測定温度16℃) |
屈折率 | (n) 1.45370 |
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