日本大百科全書(ニッポニカ) 「興部」の意味・わかりやすい解説
興部(町)
おこっぺ
北海道北部、オホーツク総合振興局管内の町。1951年(昭和26)町制施行。町名の由来はアイヌ語のオウコッペ(川尻が交わっているもの)で、かつて海岸砂州によって興部川と藻興部(もおこっぺ)川とが合流していたことによる。オホーツク海に臨み、夏は海霧、冬は流氷により低温となることが多い。国道238号と239号の分岐点にあたる。興浜南線(こうひんなんせん)と名寄本線(なよろほんせん)が通じていたが、前者は国鉄時代の1985年(昭和60)、後者はJR移管後の1989年(平成1)に廃止、バスに転換され、現在はJR宗谷(そうや)本線名寄および東隣の紋別(もんべつ)市、雄武(おうむ)町との間にバスが通じる。南部はウッツ岳(818メートル。鬱岳(うつだけ)とも)の北斜面で、道有林が占める。大正末期に始まった酪農が現在では主産業で、道内屈指の酪農地帯である。また沙留(さるる)、興部の漁港があり、ホタテガイ、サケ・マスなどの漁獲がある。面積362.54平方キロメートル、人口3628(2020)。
[岡本次郎]