日本大百科全書(ニッポニカ) 「舘岩」の意味・わかりやすい解説
舘岩
たていわ
福島県南西部、南会津郡にあった旧村名(舘岩村(むら))。現在は南会津町の南西部を占める地域。旧舘岩村は2006年(平成18)田島町および伊南(いな)、南郷の2村と合併して南会津町となった。阿賀(あが)川水系の伊南川の支流舘岩川の流域を占める。南は田代(たしろ)山(1971メートル)、帝釈(たいしゃく)山(2060メートル)、北は黒岩(くろいわ)山(1450メートル)などに囲まれ、地域の大部分は山地である。中世の立岩郷(たていわごう)、近世の南山御蔵入(みなみやまおくらい)り(幕府領)の地。かつては中山峠によって南会津東部と結ばれていたが、現在は中山峠の南方を国道352号が走る。豪雪地帯の山村で、ナメコの特産がある。湯ノ花、木賊(とくさ)の温泉があり、田代山の山頂付近の田代山湿原には高山植物が多く、尾瀬(おぜ)国立公園の特別保護地区に指定。前沢は山村集落として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
[安田初雄]
『『舘岩村史』全5巻(1992~2001・舘岩村)』