中国,浙江省の東海,杭州湾の門戸に散在する島嶼群。舟山,普陀,長涂山,岱山等,大小約400余の島からなる。最大の島は舟山島で,面積523km2。行政的には浙江省舟山地区をなし,舟山島の定海県に中心が置かれる。付近は有数の近海漁場で,また岱山島には大規模な製塩場がある。この群島は江南地方から近海の地にあり,春秋時代から甬東(ようとう)と呼ばれ,僻遠の地として認識され,流刑の場所などに用いられた。唐代にはじめて翁山県が置かれ,しだいに開発もすすめられた。ここは南海から海岸沿いに北上して来たとき,また日本から琉球列島をへて西航して来たときに,江南の門戸として到達するところであり,海防上の要衝であった。そのため諸国の貿易船が寄留すると同時に,倭寇や西欧列強の侵攻するところともなった。なお舟山島東部にある普陀山は,山西五台山,四川峨嵋山とともに,仏教の三大霊場の一つ,観音信仰の中心として,日本でも古くから知られている。
執筆者:秋山 元秀
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中国、浙江(せっこう/チョーチヤン)省北東部、杭州(こうしゅう/ハンチョウ)湾外の東シナ海にある群島。北は嵊泗(しょうし)列島に始まり、南は六横島(りくおうとう)に至り、舟山、普陀(ふだ)、長塗(ちょうと)、岱山(たいざん)、衢山(くざん)など400余りの島からなる。最大の島は面積523平方キロメートルの舟山島。気候は温暖湿潤で、年降水量は1400ミリメートル前後、夏から秋にかけて台風がたびたび襲来する。古来この群島は海上交通の要衝をなし、唐・宋(そう)代以後、日中交通上の船舶の寄港地として知られた。アヘン戦争時にはイギリス軍によりたびたび占領された。群島近海は中国最大の漁場で、舟山島の沈家門(しんかもん)では水産加工業が発達する。また岱山島は重要な塩の産地である。舟山島の舟山市定海区が群島の中心地で舟山地区の行政公署が置かれている。舟山島東側の普陀山(ふださん/プートゥオシャン)(普陀島)は中国三大仏教聖地の一つである。
[林 和生]
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