中国、浙江(せっこう)省の北東海上にある舟山(しゅうざん)群島南東部の島。普陀県に属し補陀落伽(ふだらくきゃ)山ともいう。面積12.5平方キロメートル、最高点は白華頂(はっかちょう)で291メートル。五台山、峨眉(がび)山、九華(きゅうか)山と並ぶ中国仏教の四大聖地の一つである。唐代の858年、日本の僧慧鍔(えがく)が観音(かんのん)像を奉じて不肯去(ふこうきょ)観音院をつくった。のち、『華厳(けごん)経』に善財(ぜんざい)童子が普陀落伽に観音を拝するとあることから普陀とよばれるようになった。北宋(ほくそう)の1080年に殿宇(でんう)を改築し皇帝より寳陀(ほうだ)観音寺の額を賜った。もと律寺であったが、1131年に禅寺に改められた。元の1299年(正安1)、普陀山の僧一山一寧(いっさんいちねい)が日本に派遣され、執権北条貞時(さだとき)の帰依(きえ)を得て日本に居住し南禅寺(なんぜんじ)第3世となり、わが国の仏教界に大きな影響を与えた。島内には普済寺、法雨寺、盤陀庵(ばんだあん)、霊石庵(れいせきあん)などの寺院や千歩沙(せんぽさ)、潮音洞、梵音洞(ぼんおんどう)などの名勝がある。
[林 和生]
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「プートー(普陀)山」のページをご覧ください。
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…宋代以後,禅宗を除いて,仏教は一般に衰退したのに,観音信仰だけはあらゆる階層に浸透流行し,一般民衆の生活と深い関連をもったのである。観音の霊場として最も崇信されたのは,浙江省舟山列島の普陀山で,文殊をまつる山西省の五台山,普賢をまつる四川省の峨嵋山とともに,天下の三大仏教道場とされた。とくに海上商人や漁師の信仰をうけたこの普陀山の開基は,日本の入唐僧の慧萼と伝えられている。…
…そのため諸国の貿易船が寄留すると同時に,倭寇や西欧列強の侵攻するところともなった。なお舟山島東部にある普陀山は,山西五台山,四川峨嵋山とともに,仏教の三大霊場の一つ,観音信仰の中心として,日本でも古くから知られている。【秋山 元秀】。…
… 宋代以後の近世社会になると,庶民の経済水準の向上につれて,各地の霊山への巡礼はますます盛んとなった。日本の入唐僧慧萼にまつわる開基縁起をもつ浙江省舟山群島の普陀山が観音菩薩の霊場として聞こえ,文殊信仰の五台山,普賢菩薩をまつる四川省の峨眉(がび)山とともに天下の三大道場と称され,地蔵菩薩信仰の総本山たる安徽省の九華山を加えて四大名山と呼ばれるにいたった。そして九華山などで,巡礼者は寺の発行する路引つまり浄土へのパスポートをもらって帰ったのであった。…
※「普陀山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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