日本大百科全書(ニッポニカ) 「芋子石」の意味・わかりやすい解説
芋子石(いもごせき)
いもごせき
imogolite
1962年(昭和37)吉永長則(ながのり)、青峰重範(しげのり)によって発見された粘土鉱物の一つ。アロフェンに似てはいるが、X線粉末回折線の現れ方、熱的性質、試薬に対する反応が異なり、両者を区別できる。また、電子顕微鏡下で観察すると、アロフェンは微細な粒の集合であるのに対し、芋子石は、管状の微細な繊維が束状に集合している。肉眼では土状、被膜状をなし、鉋(かんな)くずのようにみえる。火山灰質粘土中や風化した軽石層中にアロフェンとともに普通に産する。日本では、北関東に分布する鹿沼土(かぬまつち)中、鳥取県大山(だいせん)の軽石層中など産地は多い。この鉱物が最初に取り出された熊本県の火山灰土が「いもご」と俗称されていることから命名された。
[松原 聰]
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