芋子石(読み)いもごせき(英語表記)imogolite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「芋子石」の意味・わかりやすい解説

芋子石(いもごせき)
いもごせき
imogolite

1962年(昭和37)吉永長則(ながのり)、青峰重範(しげのり)によって発見された粘土鉱物の一つ。アロフェンに似てはいるが、X線粉末回折線の現れ方、熱的性質、試薬に対する反応が異なり、両者を区別できる。また、電子顕微鏡下で観察すると、アロフェンは微細な粒の集合であるのに対し、芋子石は、管状の微細な繊維が束状に集合している。肉眼では土状、被膜状をなし、鉋(かんな)くずのようにみえる。火山灰質粘土中や風化した軽石層中にアロフェンとともに普通に産する。日本では、北関東に分布する鹿沼土(かぬまつち)中、鳥取県大山(だいせん)の軽石層中など産地は多い。この鉱物が最初に取り出された熊本県の火山灰土が「いもご」と俗称されていることから命名された。

松原 聰]


芋子石(データノート)
いもごせきでーたのーと

芋子石
英名imogolite
化学式Al2SiO3(OH)4
少量成分
結晶系不明。きわめて低結晶度
硬度2~3
比重2.7
黄~褐
光沢土状
条痕白~淡黄
劈開不明(「劈開」の項目参照

芋子石(いもごいし)
いもごいし

芋子石

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android