日本大百科全書(ニッポニカ) 「アロフェン」の意味・わかりやすい解説
アロフェン
あろふぇん
allophane
重要な粘土鉱物で、土壌中に広く分布する。化学式はnAl2O3・mSiO2・pH2Oで、nを1とするとmは1~2、pは2~3であるものが多いといわれている。温泉や地下水の沈殿物、火山岩、火砕岩(火山砕屑(さいせつ)岩)の分解物、金属鉱床の二次鉱物(この産状のものでは、鉄、マンガン、銅などの重金属を含むことが多い)として普通に産する。魚卵状、皮殻状でガラス塊のようにみえるものから、数十オングストローム程度の直径をもつ球形の粒子まである。名称は、吹管を用いると外観が変化するため、「異なってみえる」という意味のギリシア語に由来する。
[松原 聰]