デジタル大辞泉
「火山灰土」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かざんばい‐どクヮザンばひ‥【火山灰土】
- 〘 名詞 〙 火山噴出の火山灰、火山砂、火山礫(れき)などが堆積、風化してできた土壌。保水力が大きく霜柱が立ちやすい。関東ロームなど。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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火山灰土
かざんばいど
volcanic ash soil
火山灰層が風化していわゆる赤土となった細粒堆積物に,多量の腐植を蓄積している土壌。火山灰土では,火山灰を構成する鉱物や火山ガラスが風化し,結晶化度の低いアルミニウムケイ酸塩(アロフェン)や粘土鉱物に変化している。また,地表の植物に由来する腐植を含む。腐植の含有率はときに 20%をこえるほど高く,団粒構造が発達し,孔隙率は 80%以上にも達する。リンを多く含み,保水性が高いことから,畑作地として利用されている。国際的な土壌分類では,アンドソル andosols,アンディソル andisolsと呼ばれ,世界の地表の約 1%を占めている。日本では広く黒ボク土と呼ばれており,北海道,東北,関東,中部,南九州などの台地面に広く分布している。褐色黒ボク土,非アロフェン質黒ボク土,アロフェン質黒ボク土のように,土壌の発達の度合いに基づいて分類されているが,火山灰土は,一般に表層の黒色土と下層の褐色土に分けられる。表層の黒色土は,地表に繁殖した植物が枯れて分解が進んで腐植となったものが多い。下層の褐色部は腐植が少なく,酸化アルミニウムに富んでいる。関東平野に分布する関東ローム層は火山灰土であるが,この地層ができた時期は気候が寒冷だったため,腐植に乏しいことから褐色を示している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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火山灰土【かざんばいど】
火山灰風化物を材料とし,表層に黒色の腐植をきわめて多量に蓄積した土壌。アロフェンに富むため腐植を結合・保持しやすく,空隙(くうげき)に富み,保水性が高く,リン酸イオンのような陰イオンの吸収力が大きい。亜寒帯から亜熱帯北部の火山地帯に広く分布。日本の火山灰土の面積は310万ha以上とみられ,農耕地の約4分の1を占める。→土壌型
→関連項目赤土|アカホヤ|オンジ(音地)|黒ボク土
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