しばい‐ばなししばゐ‥【芝居話】
- 〘 名詞 〙
- ① 芝居についての話。芝居のはなし。
- [初出の実例]「上方の僧しばゐばなしをしだし」(出典:咄本・軽口御前男(1703)一)
- ② 芝居の道具や下座(げざ)の囃子方(はやしかた)の鳴物を用い、役者の声色(こわいろ)をまじえて演じる人情咄や落語。三遊亭円朝によって集大成されたもの。
- [初出の実例]「今日観た芝居咄(シバヰバナシ)を座興とするに」(出典:かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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芝居噺 (しばいばなし)
(1)大阪では,《親子芝居》《昆布巻(こんまき)芝居》《七段目》《質屋芝居》など,芝居に関する落語を指す。(2)東京では,芝居の台本どおりに演じる正本(しようほん)芝居噺をいう。落語の人情噺の途中で鳴物が入り,せりふが芝居風になって声色(こわいろ)が入り,衣装は引抜きになり,背景も見せて,ときには短刀のような小道具も使うなど,演出がすべて芝居風になる。《芝居風呂》《双(ふたつ)蝶々》などがそれであるが,初代三遊亭円生を祖とする。近年では,林家彦六がその芸を伝えた。
執筆者:興津 要
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の芝居話の言及
【桂文治】より
…(1)初代(1773‐1815∥安永2‐文化12) 上方最後の辻咄家松田弥助門下。上方で寄席を創設し,芝居噺の創始者で,《崇徳院(すとくいん)》《蛸芝居》などの作者。(2)2代は生没年未詳。…
【三遊亭円朝】より
…しかし,病気になって帰宅し,改めて玄冶店(げんやだな)(現在の日本橋人形町あたり)の歌川国芳のもとで画家としての修業を積んだ。このときの修業が,のちに円朝の売りものになった芝居噺の道具を作る際に大いに役立つことになるが,ここでも病を得て帰宅し,母親も義兄も落語家以外には向かぬものとあきらめたため,芸界に復帰できた。 17歳のとき,衰微する三遊派の再興を期して芸名を円朝に改め,真打に昇進した。…
※「芝居話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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