花粉情報(読み)かふんじょうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アレルギー症状を起こす花粉の飛散する程度の予報。近年,特に春先に花粉アレルギーを起こす人が増えたため,テレビなどの天気予報で花粉情報を流すようになった。日本気象協会が開発したもので,当日の天気予報をもとに,花粉の飛散する程度を 4段階(少ない,やや多い,多い,非常に多い)に分けて予報する。一般に,気温が高く,湿度が低い晴天の日に飛散度は高くなる。(→花粉症

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大辞林 第三版の解説

生活気象情報の一。気温・湿度・天気から花粉の飛散度を推定した情報。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

花粉の飛散量の観測や予測などの情報のこと。花粉症の症状緩和など花粉症対策に用いる。花粉症は、花粉が原因となって目のかゆみや鼻水、くしゃみなどを引き起こすアレルギー疾患で、日本人の約2割が発症しているとされ一種の国民病ともいわれる。そのため、関心が非常に高く、環境省花粉情報サイトなど花粉情報に関するホームページを多くの人が利用している。春に飛散するスギやヒノキの花粉で花粉症を発症する人がもっとも多く、毎年春には患者が急増するので、花粉情報は春期の、それもスギ花粉を扱ったものが多い。しかし、イネ科の植物は夏から秋、ブタクサ科の植物が真夏から秋口に花粉を飛散させるので、秋に花粉症を発症する人もおり、春以外の花粉情報もある。
 花粉の測定は、以前は、固定式の採取器を長時間放置して花粉を採取し、顕微鏡を用いて人が数えるという方法で行ってきた。現在は、花粉に光線をあてて、その散乱状態で個数をカウントする花粉自動計測器を用いて、リアルタイムでの飛散状況の把握が可能となった。環境省では、2002年(平成14)から各地に花粉自動計測器を設置し始め、2007年には沖縄を除く全国に設置、花粉観測システム体制が整った。環境省と日本気象協会が行っているスギ花粉飛散開始マップでは、初観測は各年1月1日以降に計測視野内に1個でも花粉が観測された最初の日、飛散開始日は1平方センチメートル当たりの花粉数が2日連続して1個以上となった最初の日としている。花粉が多く飛散しているという花粉情報(十分な注意が必要とされている花粉飛散数は、1平方センチメートル当たり2000個以上)が出た場合は、マスクや眼鏡の着用や、ポリエステルや綿製品など起毛のない素材の衣類を着用する、あるいは飛散しやすい時間帯の外出を避けるなどの早めの花粉症対策をとることができる。
 日本地図上に入れた各地のスギ花粉の飛散開始日を示す等値線をスギ花粉前線という。九州では2月上旬に飛散が始まり、3月末には東北地方に達する。北海道や沖縄では、杉林が少ないこともあって花粉症にかかる人が少ない。このため、春先の時期、花粉を避けられるこれらの地域への長期滞在型の観光も行われている。スギの花粉を飛ばす雄花は、7月から8月にかけて成長するが、この時期に日射量が多く気温が高いと雄花が多く育ち、雄花が多い年の翌春は、その分だけ飛散量が増える。また、日の長さや一定期間の低温を経験するかどうかで開花の時期が変わる。環境省では、2004年より花粉飛散予測に関する調査業務を行い、12月末から翌年春の花粉飛散量と飛散開始時期の予測を行っているが、そこで用いるのは、夏からの気象分析と長期予報(1か月予報、3か月予報)である。[饒村 曜]

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