インドや旧中国の労働者、とくに荷担ぎ夫、鉱夫、車夫などをさす。タミル語で雇うということばを英語でcooly, coolieと表記し、それを中国で苦力と表記したといわれる。人間労働力として売買される点では奴隷と同じであった。アメリカではリンカーンにより1862年に奴隷が解放されたが、苦力は奴隷にかわる労働力として、清(しん)朝の禁令にもかかわらず、外国の商人や中国買弁の手で香港(ホンコン)、マカオを中心に、西インド諸島、南アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアなどに大量に送られた。1872年(明治5)3月、日本政府の外務卿(きょう)副島種臣(そえじまたねおみ)が、横浜で中国の苦力多数を乗せたペルー船マリア・ルーズ号を拿捕(だほ)して苦力を解放した事件は、国際的に大きな波紋を投げかけた。苦力の売買は国際的には1874年マカオの苦力取引禁止令によって終わったが、中国では形を変えた苦力制度が長く温存され、日本も中国侵略中、鉱山、土建業、港湾においてこの制度を利用した。1949年10月の中華人民共和国成立以降、こうした制度は完全に廃止された。
[山下龍三]
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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