茶庭(読み)チャテイ

デジタル大辞泉 「茶庭」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐てい【茶庭】

茶室の庭。腰掛け・灯籠蹲踞つくばい・飛び石などを配置する。露地ろじ。ちゃにわ。

ちゃ‐にわ〔‐には〕【茶庭】

ちゃてい(茶庭)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「茶庭」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐にわ‥には【茶庭】

  1. 〘 名詞 〙ちゃてい(茶庭)
    1. [初出の実例]「大裏垣 枝折垣とも云ふ〈略〉大庭ものなり。しかし茶庭(チャニワ)または亭の囲ひなどにも是をもちゆ」(出典:石組園生八重垣伝(1827)上)

ちゃ‐てい【茶庭】

  1. 〘 名詞 〙 茶室に配して作られる庭園総称。つくばい・灯籠・飛石などを配置し、茶室と一体に造られた庭。露地。ちゃにわ。
    1. [初出の実例]「茶庭をつくり、数寄をこらす風流を楽しんでゐた」(出典:旧聞日本橋(1935)〈長谷川時雨〉お墓のすげかへ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶庭」の意味・わかりやすい解説

茶庭(ちゃにわ)
ちゃにわ

茶屋に付属した庭。一般の回遊式庭園や観賞式庭園と異なり、明確な使用目的をもった実用の庭である。茶庭という呼称は新しく、もとは露地(ろじ)(路次、路地、盧地、盧路とも書く)といい、これは茶の座敷へ行くための通路の意味である。しかし、茶の湯の草創期には「坪之内(つぼのうち)」「面坪(おもてつぼ)ノ内」「脇(わき)ノ坪ノ内」などとよばれていたことが、武野紹鴎(たけのじょうおう)の四畳半左勝手の外の空間を図示した文献(山上宗二(やまのうえそうじ)記)によって知ることができる。この坪之内は、せいぜい一坪ないし二坪の空間に大きい柳が1本、背後は松林といった程度で、意匠らしいものはほとんどなかった。また1597年(慶長2)の伏見(ふしみ)城の露地(この名称が使われている)のように、蘇鉄(そてつ)だけの露地もあるが、千利休(せんのりきゅう)の晩年から没後にかけて、飛石、手水鉢(ちょうずばち)、石灯籠(どうろう)、潜(くぐ)り戸、木戸、腰垣、植栽などが配置され、今日のような体裁がしだいに整ってきた。

[重森完途]


茶庭(ちゃてい)
ちゃてい

茶庭

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「茶庭」の解説

ちゃてい【茶庭】

茶室に付属して設ける庭。⇒露地

ちゃにわ【茶庭】

ちゃてい。⇒ちゃてい

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世界大百科事典(旧版)内の茶庭の言及

【庭園】より

…庭園のことを山水といったのもそのためである。
[茶庭の発生]
 15世紀の後半より京都,堺の町衆の間から〈下々のたのしみ〉としての茶の湯が流行した。茶を飲み茶器を鑑賞しあうことで,主客の融合をはかったのである。…

※「茶庭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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