茶臼原古墳群(読み)ちやうすばるこふんぐん

日本歴史地名大系 「茶臼原古墳群」の解説

茶臼原古墳群
ちやうすばるこふんぐん

[現在地名]西都市茶臼原

一ッ瀬川の左岸標高約一二〇メートルの茶臼原台地上に展開する。計五五基の古墳(うち前方後円墳三基)春日かすがとどろき上野うえのの三つのグループに分れて群在し、昭和四八年(一九七三)に国の史跡に指定された。

通称で児屋根塚こやねづか古墳とよばれる一号墳は、全長一一〇メートル、楯形の周堀を有する群内最大の前方後円墳で、両くびれ部に造出しをもつ典型的な中期古墳。第二次世界大戦中、後円部上に対空攻撃用施設を設けたことにより深い竪坑が掘られていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「茶臼原古墳群」の解説

ちゃうすばるこふんぐん【茶臼原古墳群】


宮崎県西都(さいと)市穂北・茶臼原にある古墳群。九州山地に発して日向(ひゅうが)灘に注ぐ一ツ瀬川中流域の左岸、標高130mほどの茶臼原台地上に分布し、前方後円墳3基・円墳52基で構成される古墳群。3つのグループ(春日・轟・上野)に分かれており、南九州における古墳時代の特色を示していることから、1973年(昭和48)に国の史跡に指定された。春日地区にあり、古墳群中最も著名な1号墳・児屋根塚(こやねづか)古墳は、全長110m、後円部径64m、高さ7.5m、前方部幅61m、高さ7.1mで、造り出しと周濠をもち、5世紀前半から中葉に築造された典型的な前方後円墳。青龍・白虎や24文字が浮き彫りにされた青銅製の四獣鏡や蛇行剣など、全国的にも注目される遺物出土。これらの貴重な副葬品から、有力な地方豪族の墳墓であることが推定できる。上野地区の前方後円墳は古式の柄鏡(えかがみ)式古墳で、児屋根塚古墳より古いと推定されるが、そのほかの古墳については詳細が不明である。JR日豊本線高鍋駅から宮崎交通バス「茶臼原入口」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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