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荒魂 あらみたま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

荒魂
あらみたま

荒々しく,戦闘的で,積極的に働く神霊和魂 (にぎみたま) に対する語。また,死者死霊の中間にあり,たたりの可能性があるとされる新霊にも通じる。

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世界大百科事典 第2版の解説

あらみたま【荒魂】

物事に対して激しく活動する神霊をいい,和魂(にぎみたま)に対して称する。古く日本人は神の霊魂作用および徳用を異なる作用を持つ霊魂の複合によると考えた。すなわち,静止的な通常の状態における神霊の作用および徳用を〈和魂〉とし,活動的で勇猛,剛健,ある意味では常態をこえるような荒々しい状態における作用および徳用を〈荒魂〉と考えた。ニギとアラは対語で,〈和妙(にぎたえ)〉〈荒妙(あらたえ)〉(《延喜式》),〈毛麤物(けのあらもの)〉〈毛和物(けのにぎもの)〉(《古事記》)などの用例がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

荒魂
あらたま

石川淳(じゅん)の長編小説。1963年(昭和38)より『新潮』に連載、翌1964年新潮社より刊行。死と絶望を踏まえつつ、大地の根に直結するところから生きる、生のエネルギーそのもののような佐太という人物がいる。彼はこの壮大なロマンにあって随時出没するが、彼の体現する劇の追究がここでは目的ではない。佐太は小説的人物というよりむしろ虚像であり、この虚像の周辺に、この存在に感応されつつ幾人かの小説的人物群の劇が展開する。阿久根(あくね)秋作、潮弘方(うしおひろかた)、照子、三穂らの人物群は、おのが運命のもと、生のエネルギーを精いっぱいに燃焼しつつ、文字どおり「荒魂」の生きざまをみせてくれる。興味津々たるエネルギー小説である。[井沢義雄]

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世界大百科事典内の荒魂の言及

【神】より

…氏神は,氏族を守護する典型的な守護霊の機能をその基盤にもっているのである。ところでタマの立場から見た場合,古代には和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)の対立があった。タマが人知を超えた力を発揮すると,それはモノノケ(物の怪)の出現ととらえられ,別にタタリ(祟り)と表現された。…

【和魂】より

…日本の神霊観の一つ。荒魂(あらみたま)に対していう。神霊は異なる霊能をもつ霊魂の複合によってはたらくという信仰のあらわれで,和魂は主として神霊の静的な通常の状態における穏和な作用,徳用をさす。…

【霊魂】より

…一般に日本では,人の死後,その死霊は祖霊を経て神霊になるという観念が強く抱かれてきた。不浄の霊(荒魂(あらみたま))から清浄な霊(和霊(にぎみたま))への浄化の過程が意識されたのであり,そこに日本人の間に根強い祖先崇拝の基盤があるといえよう。アニミズム【山折 哲雄】
【霊魂の行方――超心理学における死後生存仮説】
古来,世界各地で,人間の死後には霊魂が残り,生き続けるという信仰が見られるが,それを科学的に検証しようとする試みが起こったのは比較的最近のことで,イギリスにおける心霊研究協会の設立(1882)に端を発していると言える。…

※「荒魂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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