荻袋村(読み)おぎのふくろむら

日本歴史地名大系 「荻袋村」の解説

荻袋村
おぎのふくろむら

[現在地名]大江町荻野おぎの

月布つきぬの川下流右岸にあり、南のおお山からの山地と氾濫原からなる。北は月布川を挟んで上北山かみきたやま村、東は月布川の曲流を間にして小見おうみ村。左沢あてらざわから小漆川こうるしがわ諏訪原すわのはらを経て、猿田さるた越によって大谷おおや(現朝日町)に抜ける通路にあたる。荻野袋とも記す。戦国時代のものと思われる年未詳八月四日の田畠目録(澄江寺文書)に「大御所之分」として「岩秋」のうちにさかの下・堂やしき・ゆわあき・はゝきてんの地名があり、畠之分としておきのふくろ・もりのミや・きた山・を見渡・ひちら木・はゝきてんが記される。また明応年間(一四九二―一五〇一)と思われる大江広元寄進状(同文書)によれば「うるし川前」の「おきのふくろのうち、ゆわゝきのさいけ」を澄江ちようこう寺に寄進している。澄江寺は現在寒河江さがえ市にある曹洞宗寺院だが、荻野集落の南の猿田沢から岩木いわきにかけては今も澄江寺前とよばれ、古い田があり、大正年間には古刀も出土している。


荻袋村
おぎふくろむら

[現在地名]増田町荻袋

成瀬なるせ川が峡谷から平地に出る谷口にある本郷荻袋村と、上流南岸に枝郷安養寺あんようじ村があり、南方山麓の菅生すごう村・なべさわ村からなる。

正保四年(一六四七)の出羽一国絵図に荻袋新田村一〇九石と記載される。しかし享保一四年(一七二九)の雄勝郡御黒印吟味覚書(秋田県庁蔵)に「正保元禄荻袋村但誤新田ニ出貞享荻ノ袋村其外諸帳荻野袋村」とある。享保八年の雄勝郡郡村本村支村御高共調帳(秋田県庁蔵)には家数三四軒、増田村の枝郷藤左衛門とうざえもん村と川で接するが、先年川の流れが変わり、藤左衛門村に村の地形が残ったという。


荻袋村
おぎのふくろむら

[現在地名]尾花沢市荻袋

尾花沢村北西丹生にゆう川右岸にあり、羽州街道に沿って発達、東は丹生村、西は海谷かいや(現北村山郡大石田町)、北は野黒沢のくろさわ村。西方に枝郷の和合わごうがある。荻野袋とも記した。元和八年(一六二二)山形藩領となり、寛永一三年(一六三六)より幕府領、安政二年(一八五五)からは松前藩領となる。正保郷帳によれば田方九四一石余・畑方四七石余。宝暦一一年(一七六一)の御巡見様御案内覚帳(二藤部文書)では高一千六九石余、家数七三(うち寺二)・人数三二七、馬二五。天明八年(一七八八)の村明細帳写(柳橋文書)によれば家数七一(うち寺二・修験一)・人数三三五、馬一三。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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