葛粉かかたくり粉をまぶして煮る煮物をいう。このやり方をすると材料のうま味が包まれて逃げず、柔らかさを保つことができる。石川県の郷土料理じぶ煮は、古くからある葛煮である。1643年(寛永20)版の『料理物語』のなかに、じぶ煮とは葛を加えて煮るためにジブジブという音を出すとある。石川県のじぶ煮は渡り鳥のツグミを用いるのを特色としたが、いまはツグミが禁鳥になったので、カモ、アイガモなどを用いる。葛煮の材料には、鳥類のほかにエビ、ハマグリ、キス、イカ、その他の白身魚が用いられる。植物性材料ではトウガンの葛煮がある。湯葉の薄葛仕立てもあるが、この種のものは葛煮、じぶ煮とはいわず、葛汁の名が一般的である。
[多田鉄之助]
春になって暖かくなりかけた頃、急に寒さが戻って、地面などがまた凍りつく。《 季語・春 》[初出の実例]「七瀬御秡 同晦日也。〈略〉雪汁いてかへる」(出典:俳諧・誹諧初学抄(1641)初春)...