蓴菜(読み)ジュンサイ

デジタル大辞泉 「蓴菜」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐さい【×蓴菜】

ジュンサイ科の水生の多年草。池沼に生え、葉は長さ約10センチの楕円形で長い柄をもち、水面に浮かぶ。若芽新葉表面に寒天様の粘液を多く分泌する。5、6月ごろの若芽・若葉食用となり、珍重される。ぬなわ。 夏》「―を里人知らぬ古江かな/乙字
[補説]「純菜」「順才」と当てて書くこともある。

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精選版 日本国語大辞典 「蓴菜」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐さい【蓴菜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] スイレン科の水生多年草。各地の古い池沼に生える。泥中の根茎から長い茎をのばし水面に葉を浮かべる。葉は楕円状楯形で長さ五~一〇センチメートル。若い茎と葉は粘り気のある寒天質に包まれている。夏、葉腋(ようえき)から花柄を出し、六花被片をもつ淡紅色の小さな花を開く。若芽は食べられる。漢名、蓴。ぬなわ。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「鱸魚膾蓴菜羹、飡罷酣歌帯月行」(出典経国集(827)一四・漁歌五首〈嵯峨天皇〉)
    2. [その他の文献]〔岑参‐送許子擢第帰江寧拝親因寄王大昌齢詩〕
  3. [ 二 ] ( 形動 ) 蓴菜の若葉がぬるぬるしていて、はしではさみにくいところから、それにたとえて上方でいう。
    1. ぬらりくらりしていること。どっちつかずであること。不得要領なこと。また、その人やさま。
      1. [初出の実例]「蓴菜(ジュンサイ)とはなぜにいふへ。はておまへ追従ばかりいふて、あちらでもこちらでもぬらりぬらりといふ心じゃはいのふ」(出典:浮世草子・世間旦那気質(1773)五)
    2. ( から転じて ) いいかげんなこと。でたらめなこと。誠意のないこと。薄情なこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「信はまことなれば、彼(かの)蓴菜(ジュンサイ)ぬめたをはなれ、我(こっ)ちから、信でゆけば、まことで返す」(出典:洒落本・戯言浮世瓢箪(1797)五)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蓴菜」の解説

蓴菜 (ジュンサイ)

学名Brasenia schreberi
植物。スイレン科の浮葉性多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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