長野県中央部、蓼科山火山山麓(さんろく)に展開する高原。標高1200~1600メートルの広大な高原で、通常、白樺湖(しらかばこ)南方から蓼科山南麓一帯を蓼科高原とよび、白樺湖北側を東蓼科高原とよんでいる。白樺湖のほか女神湖(めがみこ)や蓼科湖などの人造湖があり、草原やシラカンバ・ダケカンバの林、蓼科温泉郷、スキー場などの観光資源に富み、信州有数の観光地である。付近一帯はホテル、民宿、ペンションが点在し別荘地やゴルフ場に開発され、中央道諏訪インターチェンジの利便性も高く、一大リゾートエリアをなしている。近世までは高冷地で火山灰土壌などのため原野であった。昭和30年代から急速に観光開発が進んだ。ビーナスラインなどが通じ、JR中央本線茅野(ちの)駅、しなの鉄道小諸(こもろ)駅からバスの便がある。
[小林寛義]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…降水や湧水が豊富なため,農業用水源となって北佐久・諏訪両地方の水田をうるおしている。蓼科山の南西麓,標高1200~1800mの緩斜面を蓼科高原といい,滝ノ湯,小斉(こさい),親湯(しんゆ)などの蓼科温泉郷や,その南の渋川に沿った奥蓼科温泉郷,ともに農業用の人造湖である蓼科湖と白樺湖などを中心とした一大観光地となっている。高原の観光開発が急速に進んだのは,1960年に蓼科温泉郷の土地が地元の湯川財産区から民間に買収されてからで,63年の蓼科有料道路(現,霧ヶ峰蓼科ビーナスラインの一部)の開通もこの傾向に拍車をかけた。…
※「蓼科高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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