デジタル大辞泉 「虐げる」の意味・読み・例文・類語 しいた・げる〔しひたげる〕【虐げる】 [動ガ下一][文]しひた・ぐ[ガ下二]《「しえたげる」の音変化》むごい扱いをして苦しめる。虐待する。いじめる。「異教徒を―・げる」[類語]いじめる・さいなむ・なぶる・いびる・切りさいなむ・虐待・迫害 しえた・げる〔しへたげる〕【▽虐げる】 [動ガ下一][文]しへた・ぐ[ガ下二]1 「しいたげる」に同じ。「―・げられた定基の若妻に同情し」〈露伴・連環記〉2 うち負かす。征服する。「御方みかた追ひ落とされて、敵かたきを―・ぐるに及ばず」〈平家・一二〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「虐げる」の意味・読み・例文・類語 せた・げる【虐】 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙 [ 文語形 ]せた・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙① 攻めたてる。攻撃する。[初出の実例]「兵共命を惜まず防ぐ間、毎度に御方逐落さる、敵をせたぐるに及ばず」(出典:芸大本平家(13C前)一二)② 過ちなどを、ひどく責める。責めたてる。[初出の実例]「はれがましい処へ阿難のそぼそぼとして面目なうてできられたを仏にせたけられたぞ」(出典:百丈清規抄(1462)一)③ 目下のものや弱いものをいじめる。ひどいめにあわせる。虐待する。しいたげる。[初出の実例]「民が咎もなきに紂が我をせたくると云ことを天に呼て告なり」(出典:尚書抄(16C前‐中)六)「京の仕置は関東任せ宮方ひづめ公家衆倒し。百姓虐(セタ)げ、町人いぢり」(出典:浄瑠璃・大塔宮曦鎧(1723)つはもの万歳)④ せきたてる。いそがせる。催促する。取り立てる。[初出の実例]「課役、半済、せめせたげて、我物がほの金刀はと」(出典:書陵部本応仁記(15C後))「大晦日に借銭こいに陵(セタケ)らるる、其あいさつにひまなかりしが」(出典:咄本・軽口扇の的(1762)五) しえた・げるしへたげる【虐】 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙 [ 文語形 ]しへた・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 ( 「しえたく」「しえだく」とも )① むごくあつかう。くるしめる。虐待する。しいたげる。[初出の実例]「小川の市の内に住み、己が力を恃み、往還の商人を凌(シヘタ)け弊ひ〈国会図書館本訓釈 弊 師倍太計〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)② 無実の罪におとしいれる。ぬれぎぬをきせる。だます。[初出の実例]「寃 シヘダク」(出典:観智院本名義抄(1241))③ 征服する。制する。[初出の実例]「合戦の手だて様々に候へ共、即時に敵をしへたげ、たち所に利をうる事、夜討ちに過ぎたる事候はず」(出典:保元物語(1220頃か)上) しいた・げるしひたげる【虐】 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙 [ 文語形 ]しひた・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 ( 「しえたげる(虐)」の変化した語 ) むごくあつかう。いじめる。虐待する。〔和英語林集成(再版)(1872)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by