蛇の道は蛇(読み)ジャノミチハヘビ

デジタル大辞泉 「蛇の道は蛇」の意味・読み・例文・類語

じゃみちへび

同類のすることは、その方面の者にはすぐわかるというたとえ。
[補説]この句の場合、「蛇の道」を「へびの道」とは読まない。

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精選版 日本国語大辞典 「蛇の道は蛇」の意味・読み・例文・類語

じゃ【蛇】 の 道(みち)は蛇(へび)

  1. 同類の者は互いにその社会、またその方面のことに通じているということのたとえ。
    1. [初出の実例]「じゃのみちはへびがしる」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)
    2. 「お前さんが手伝って下されば、蛇(ジャ)の路(ミチ)は蛇(ヘビ)で、わたしの方でも大変に都合が可い」(出典:半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂〉鷹のゆくへ)

蛇の道は蛇の語誌

( 1 )「大智度論‐一〇」の「智人能知智 如蛇知蛇足」や、「一言芳談‐上」の「蛇の心をば蛇がしるやうに、後世の事をば後世者がしるなり」なども、これと同義の比喩表現である。
( 2 )中世には「蛇の道はちいさけれどもくちなはがしる」〔御伽草子鴉鷺合戦物語(続類従所収)〕のような言い方がされていたが、近世には挙例の「毛吹草」のような表現になり、さらに省略された形で定着した。

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ことわざを知る辞典 「蛇の道は蛇」の解説

蛇の道は蛇

一般にはなかなか察知できないことも、その世界に身を置く者は、さしたる努力もせずにわかる。同種仕事や同じような生き方をしてきた者のすることは、当人と直接関わりがなくてもおおむね見当がつくというたとえ。

[使用例] 「同じ会社につとめていたO Lで、小西さんとはもう九年越しのつきあいときいていますよ」「そんなことまで、お耳に入っているんですか」「蛇の道は蛇でね……」桜田が笑った。彼もまた、銀座新橋に女の噂は少なくない[平岩弓枝*女の気持|1974]

[類句] 餅は餅屋

英語〕Set a thief to catch a thief.(盗人を捕らえるには盗人を差し向けよ)

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