食の医学館 「血液のがん」の解説
けつえきのがんはっけつびょうあくせいりんぱしゅ【血液のがん(白血病・悪性リンパ腫)】
《どんな病気か?》
〈発症が少ないながらも命にかかわる重大ながん〉
■白血病
白血病(はっけつびょう)は一般に血液のがんといわれますが、厳密にいえば血液をつくる器官で白血球が異常に増殖する病気です。がんの一種としては発症頻度が少ないものの、一度発症すると完治がむずかしく、生命にかかわることが多いものです。
急性と慢性があり、さらにそれぞれ増殖する白血球細胞の種類によって骨髄性(こつずいせい)とリンパ性にわけられます。
いずれも疲労感、動悸(どうき)、息切れなどの貧血のような症状を覚えたり、寝汗や発熱などの症状が現れることもあります。また急性では歯肉(しにく)や鼻からの出血、皮下出血がみられますが、逆に慢性では脾臓(ひぞう)の腫(は)れや上腹部の不快感を感じることもあります。
■悪性リンパ腫
全身には、血管と同様にリンパ管がはり巡らされており、リンパ管が合流してリンパ節を形成します。全身には約800のリンパ節があり、なかでも首、わきの下、もものつけ根、下腹部などに多くあります。
ここではリンパ液をろ過し、細菌を撃退する役目をしています。
悪性(あくせい)リンパ腫(しゅ)は、このリンパ節の細胞ががん化して増殖するもので、白血病同様に、血液のがんの一種ということもできます。
初期では自覚症状がほとんどなく、わきの下や足のつけ根などにしこりのようなものができます。
《関連する食品》
〈加熱処理しても成分をそこなわない食品をとる〉
○栄養成分としての働きから
悪性化した細胞が異様に増殖して体力を消耗させるため、高エネルギー・高たんぱくの食事を心がけなければなりません。牛乳やたまご、肉類、魚類などを摂取する必要がありますが、肉・魚類を摂取する際には、完全に火がとおるように調理することです。
また、感染を防止するためには、同じたんぱく質でも刺身や冷や奴、生たまごなど、加熱処理をしないものは避けたほうがいいでしょう。
血液を正常に回復させるために、また体力回復のためにも、ビタミンやミネラルの摂取は欠かせません。
加熱処理をしても成分をそこなわないニンジンやカボチャ、カリフラワー、ピーマン、ワカメ、コンブ、アサリ、ゴマなどを摂取しましょう。
○注意すべきこと
予後、とくに手術後は感染症に注意しなければなりません。手術後は無菌食(むきんしょく)、その後も火をとおして殺菌したものを食べるようにします。
また、トウガラシや酢のものなどの刺激の強いもの、タケノコやピーナッツなどの消化の悪いもの、チーズや納豆などの醗酵食品(はっこうしょくひん)は避けたほうがいいでしょう。