六訂版 家庭医学大全科 「血管新生緑内障」の解説
血管新生緑内障
けっかんしんせいりょくないしょう
Neovascular glaucoma
(代謝異常で起こる病気)
どんな病気か
眼球内の毛様体で産生される
糖尿病網膜症が進行している眼では、虹彩や線維柱帯に新生血管が生じてくることがあります(図7)。この新生血管はフィルターである線維柱帯を目詰まりさせてしまい、房水排水路が損なわれて眼のなかに房水がたまった状態になり、眼圧が上昇します。眼圧が上昇するとその圧力で視神経を圧迫し、圧迫を受けた部分に相当する視野に障害を来すことになります。この状態が血管新生緑内障です。
診断と治療
細隙灯顕微鏡による
通常のレーザー治療で十分な凝固ができなければ、水晶体切除および硝子体切除のうえ、眼底最周辺部までの眼内レーザー凝固を行う必要があります。それでも眼圧が下がらない場合は緑内障手術が必要で、最終的には毛様体を破壊する目的で毛様体の冷凍凝固を行います。
しかしこれらの治療にも反応せずに、失明に至るケースがしばしばあります。直接の原因である糖尿病網膜症の早期治療、血糖コントロールによる予防が、失明を未然に防ぐ意味でとくに重要です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報