普及版 字通 「衷(漢字)」の読み・字形・画数・意味
衷
常用漢字 10画
[字訓] うち・こころ・まこと・ただしい
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は中(ちゆう)。〔説文〕八上に「裏(うち)の(せつふく)なり」とあり、衣裳の下に着こんだ肌着をいう。〔左伝、襄二十七年〕「甲を衷(うち)にす」とは、鎧を下に着こんで、かくすことをいう。内にあって外にあらわれないもの、それで衷情・衷心・衷誠のように、心に関して用いる。折衷とは折中の意である。
[訓義]
1. うち、なか、ころものした、はだぎ、したぎ。
2. こころ、まごころ、まこと。
3. 中と通じ、ただしい、よい、ほどよい。
[古辞書の訓]
〔字鏡〕衷 イタム・ココロ・フトコロ・カナ・ヨシ 〔字鏡集〕衷 アタル・ヨシ・ココロ・カサス・オホフ・マサシ
[語系]
衷・中tium、仲diumは声義近く、通用の例がある。督・tukも声義の関係のある語で、督は身体の中央にある督脈、(とく)は衣の中縫。みな中央・内部の意があり、一系の語である。
[熟語]
衷衣▶・衷懐▶・衷款▶・衷曲▶・衷甲▶・衷情▶・衷心▶・衷忱▶・衷誠▶・衷腸▶
[下接語]
虚衷・苦衷・愚衷・私衷・宸衷・清衷・聖衷・折衷・天衷・微衷・和衷
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報