各裁判所にゆだねられた司法行政事務を処理するためその裁判官で組織する会議体。裁判所には,本来の裁判権のほかに,裁判官その他の職員の任命・監督,庁金その他の物的施設の設置・管理,人件費・物件費の支弁等の行政事務の処理の権限が与えられているが,この事務を処理するため裁判所としての意思決定をするのが裁判官会議である。決定された意思を外部に表示したり,執行するのは,その裁判所の長官または所長である。裁判官会議は,簡易裁判所を除くすべての裁判所に置かれ,長官または所長がその議長となる(裁判所法12,20,29条,31条の5)。簡易裁判所の司法行政事務は,その簡易裁判所の裁判官が1人のときはその裁判官が,2人以上のときは最高裁判所の指名する裁判官が処理するため(37条),裁判官会議は置かれない。
裁判官会議はその裁判所の裁判官(判事)全員により構成されるが,判事補でも5年以上の経験を有し最高裁判所から指名されたもの(〈特例判事補〉という)は,裁判官会議に参加することができる(〈判事補の職権の特例等に関する法律〉1条)。最高裁判所の裁判官会議は毎月1回定時に最高裁判所長官が招集する(最高裁判所裁判官会議規程3条)。下級裁判所の裁判官会議は必要に応じてその裁判所の長官または所長が招集する(下級裁判所事務処理規則12条)。裁判官会議の定足数は,最高裁判所は9人,下級裁判所は裁判官会議を組織する裁判官の過半数である。議事はいずれにおいても出席裁判官の過半数で決し,可否同数のときは議長の決するところによる(最高裁判所裁判官会議規程5,11条,下級裁判所事務処理規則16,17条)。会議は非公開である(最高裁判所裁判官会議規程8条,下級裁判所事務処理規則15条)。
執筆者:青山 善充
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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