六訂版 家庭医学大全科 の解説
見落としやすい食物アレルギー(魚卵、豆乳、ピーナッツなど)
(アレルギー疾患)
●魚卵
寿司を食べた直後のじんま疹やアナフィラキシーは、エビやイカ、マグロなどの魚介類が原因と考えられがちですが、魚卵のアレルギーが原因のことがあります。
魚卵のなかでは、最も多くかつ重症となるのはイクラによるアレルギーで、魚卵1粒でもアナフィラキシーが起こることがあります。同じ卵といっても魚卵と鶏卵はアレルゲンが違うので、交叉反応(それぞれの食物に含まれるアレルゲンが類似するために、一方の食物で感作されるともう一方の食物でも反応すること)は起こりません。
●豆乳
牛乳と違って豆乳は安全と考えられがちですが、豆乳も口唇のはれや違和感などの口腔症状や
一方、このアレルゲンは、にがりで固める豆腐にはあまり含まれていません。そのため、豆腐では異常反応がみられず、大豆のアレルギーではないと誤解されてしまうことがあります。
また、大豆のアレルギーには、消化管から吸収されることで感作される場合と、シラカバやハンノキの花粉で感作されて花粉症がみられる人に、花粉のアレルゲンに類似する大豆中のアレルゲンが反応して症状を起こす場合(花粉と食物の交差感作)とがあります。豆乳によるアレルギーは後者と考えられています。
●ピーナッツ
ピーナッツは、ピーナッツバターや菓子類、おつまみなどのほか、中華料理やてんぷらの衣などいろいろな食品に含まれ、そのアレルギーは小児から大人まで幅広い年代にみられます。
ピーナッツは木の実ではないため、同じナッツといっても木の実であるクルミ、アーモンド、カシューナッツなどとは交叉反応を起こすことがありません。しかし、ミックスナッツなどナッツ類が好きな人は多くのナッツで感作されていることがあり、他のナッツが必ずしも安全というわけではありません。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報