翻訳|taurine
アミドスルホン酸の一つで、アミノエタンスルホン酸をいう。単斜柱状晶で、熱水に溶け、アルコールに不溶。天然には広く動植物中に存在する。ことにウシの胆汁中に多く存在し、胆汁の加水分解により得られる。合成化学的には2-クロロエタンスルホン酸あるいは2-ヒドロキシエタンスルホン酸とアンモニアとの反応により製造される。アンモニアのかわりに種々のアミン類を用いれば、N-置換タウリンを得ることができる。N-置換タウリンと高級脂肪酸とのアミドは界面活性を有し、合成浸透剤として用いられる。この種の代表に、N-メチルタウリンとオレイン酸とのアミドであるN-メチルオレイルタウリンナトリウム塩はイゲポンT(ドイツのイー・ゲー・ファルベン社の商品名)とよばれる。またN-置換タウリンは染料合成用中間体としても用いられる。
[飛田満彦]
H2NCH2CH2SO3H | |
分子式 | C2H7NO3S |
分子量 | 125.1 |
融点 | 328℃(分解) |
沸点 | ― |
2-aminoethanesulfonic acid.C2H7NO3S(125.15).NH2CH2CH2SO3H.生物界,とくに軟体動物の肉エキス中に遊離の形で広く分布しており,またコール酸と結合して胆汁中にタウロコール酸として存在している.生体内ではシステインから生合成され,化学的にはエテンやニトロエテンから容易に合成される.単斜晶系プリズム状結晶.分解点約300 ℃.pK1 1.5,pK2 8.74.水に易溶,有機溶媒に不溶.胆汁の分泌や脂肪の吸収をよくし,制汗作用がある.高級脂肪酸とのアミドは浸透剤として用いる.LD50 > 64 mg/kg(マウス,腹腔内).[CAS 107-35-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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