解除反応(読み)かいじょはんのう(その他表記)abreaction

翻訳|abreaction

精選版 日本国語大辞典 「解除反応」の意味・読み・例文・類語

かいじょ‐はんのうカイヂョハンオウ【解除反応】

  1. 〘 名詞 〙 不快な体験のため抑圧されて意識表面に出なかったものが、精神療法中または薬品作用などによって、突然、言語行為情動の形で現われること。

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改訂新版 世界大百科事典 「解除反応」の意味・わかりやすい解説

解除反応 (かいじょはんのう)
abreaction

無意識の中に抑圧されていた過去の不安,緊張,外傷体験の状況が,あるきっかけのもとで再現され,その時の情動が激しい形で表現され解放されること。除反応発散などともいう。精神療法における催眠薬物の作用,心理劇内観等の状況下で生じやすい。さまざまな感情が涙とともに表現され,カタルシスが得られる。解除反応によって意識化された体験や感情は,自我の中に統合され,洞察が生まれることで態度や行動の変容が可能となる。
精神療法
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「解除反応」の意味・わかりやすい解説

解除反応
かいじょはんのう
abreaction

精神分析用語。除反応ともいう。抑圧された情緒を解消させるために,もとの体験を再び想像してよみがえらせること。これによるカタルシスを通して神経症治療を行う。通常の面接場面に加えて,薬物,催眠などが利用される。

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世界大百科事典(旧版)内の解除反応の言及

【精神療法】より

… 第1は治療者による受容,尊重,傾聴がもたらす不安・緊張の緩和。さらに,言語および感情表現を自由にさせること(カタルシス,解除反応)。第2には,知的および体験的に自己の誤りや不安のメカニズムに気づくこと(洞察,悟り)。…

※「解除反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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