デジタル大辞泉
「計会」の意味・読み・例文・類語
けい‐かい〔‐クワイ〕【計会】
1 考えあわせること。とりはからうこと。
「内臣となって内外を―し」〈続紀・元正〉
2 物事が重なり合うこと。
「物色と人情と―すること疎かなり」〈菅家文草・一〉
3 さしつかえること。取り込むこと。
「歳末の―によって暫く差し置かれぬ」〈太平記・四〉
4 困ること。困惑すること。
「足踵気など、散々の―なり」〈実隆公記〉
5 金のやりくりがつかないこと。貧乏。
「我が―して、食物がなさに渡るを」〈四河入海・二〇〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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けい‐かい‥クヮイ【計会】
- 〘 名詞 〙 ( 「けいがい」とも )
- ① はからいあわせること。はかりごとをめぐらすこと。対比照合すること。
- [初出の実例]「汝卿房前。当下作二内臣一計二会内外一。准レ勅施行。輔二翼帝業一、永寧中国家上」(出典:続日本紀‐養老五年(721)一〇月戊戌)
- ② 一時に落ちあうこと。
- [初出の実例]「雖レ申二日来子細一、不レ被レ知二御乗船後事一、悲喜計会云々」(出典:吾妻鏡‐治承四年(1180)九月二日)
- ③ 諸事が重なって難儀すること。とりこみ、あわてること。
- [初出の実例]「今日、岡崎四郎義実入道懸二鳩杖一。参二尼御台所御亭一。八旬衰老、迫二病与レ愁計会一。余命在二旦暮一」(出典:吾妻鏡‐正治二年(1200)三月一四日)
- ④ 会計すること。決算をすること。また、やりくりすること。
- [初出の実例]「抑細々に申入へく候ところに、らうたいと申、御公事のけいくゎいと申、諸事はうきやく仕候て」(出典:東寺百合文書‐に・嘉慶元年(1387)一〇月二〇日・金岡道広書状)
- [その他の文献]〔戦国策‐斉策・閔王〕
- ⑤ どうしてよいかわからず困ること。困惑すること。
- [初出の実例]「横座へ請ぜらるる程に、計会にて有しかども、座敷へつき侍し」(出典:正徹物語(1448‐50頃)上)
- ⑥ やりくりがつかないで困却すること。困窮すること。零落すること。
- [初出の実例]「公方之仰不レ能二故障一之由被二切諫一云々、可レ有二頭
一云々、旁計会之由申、返事難レ及二指南一事也」(出典:看聞御記‐永享一〇年(1438)四月七日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「計会」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の計会の言及
【公式様文書】より
…(4)は上級官人が牒式,下級官人や庶民は辞式を用いる。(5)のうち勅授,奏授,判授3位記式は,位階を授けるときのもの,計会式(太政官会諸国および諸司式,諸国応官会式,諸司応官会式)は文書の発着記録簿で,後日互いに照合して文書授受が正確に行われたか否かを見るもので,律令時代が文書による行政であったことを示す。過所式は水陸の関所の通行許可証である。…
※「計会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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