朝日日本歴史人物事典 「証如」の解説
証如
生年:永正13.11.20(1516.12.13)
戦国期の真宗の僧。本願寺10世で,教団の統制化を強め,集権的な宗主権を確立した人物。山城国(京都府)山科に生まれる。9世実如の次男円如と慶寿院(鎮永)の子。諱は光教,信受院と号す。大永5(1525)年継職。天文1(1532)年,山科本願寺が六角定頼,日蓮衆徒に焼き討ちされると,大坂石山坊舎に移り,堀で囲まれた寺内町を建設して戦乱に備えた。加賀荘園の回復命令をテコに権門勢家との関係を深めつつ官位を得て自らも権門化する一方,教団諸制度を整備して,直参坊主の掌握と地域教団編成を実現,本願寺法王国の宗主として君臨した。<著作>『天文日記』<参考文献>井上鋭夫『一向一揆の研究』
(草野顕之)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報