改訂新版 世界大百科事典 「フローリス」の意味・わかりやすい解説
フローリス
Frans Floris
生没年:1516-70
フランドルの画家。芸術家一族に生まれる。石工,彫刻家の父コルネリス(1世)Cornelis(Ⅰ)F.に学び,画家ロンバールのもとに弟子入りをし,1540年アントワープで自由親方となる。40-47年イタリアに滞在。1541年ミケランジェロの〈最後の審判〉(システィナ礼拝堂)の除幕式に立ち会い,大きな感動をうける。47年アントワープに戻り,ネーデルラントにイタリア・マニエリスムを導入。当世風の画風や主題(裸体の人物たちの登場する古典神話画,宗教的寓意画)は当時の中産階級の圧倒的な支持を得,大規模な工房を経営し,大構図を数多く制作した(ファン・マンデルの《画家の書》によると120人の弟子)。建築家・彫刻家のコルネリスは兄。
執筆者:森 洋子
フローリス
Cornelis Floris
生没年:1514ころ-75
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報