誂える(読み)アツラエル

デジタル大辞泉 「誂える」の意味・読み・例文・類語

あつら・える〔あつらへる〕【×誂える】

[動ア下一][文]あつら・ふ[ハ下二]
自分の思いどおりに作らせる。注文して作らせる。「洋服を―・える」「寿司を―・える」
人に頼んでさせる。
佐用氏さようじにゆきて老母介抱いたはりねんごろに―・へ」〈読・雨月菊花の約〉
[類語]築く作る拵える仕立てる形作る作り出す作り上げる仕立て上げる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誂える」の意味・読み・例文・類語

あつら・えるあつらへる【誂】

  1. 〘 他動詞 ア行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]あつら・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 頼む。頼んで自分の思うとおりにさせる。
    1. [初出の実例]「或いは其の門に詣りて、己が訟を謁(アツラフ)」(出典日本書紀(720)天武一〇年五月(北野本訓))
    2. 「またあつらへたる様(やう)に、かしこの人の集まりたるは」(出典:落窪物語(10C後)三)
  3. 注文して物を作らせる。依頼して物を作らせる。
    1. [初出の実例]「仮名暦(かなごよみ)あつらへたる事」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)五)
    2. 「焼鍋(やきなべ)を一枚あつらへてくんな」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)

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