デジタル大辞泉
「誓文」の意味・読み・例文・類語
せい‐もん【誓文】
1 神にかけて誓う言葉。また、それを記した文書。起請文。誓紙。
2 相愛の男女が心変わりをしないことを誓って取り交わす文書。多く、遊女と客の間で交わされた。誓紙。
3 (副詞的に用いて)神に誓って。
「こりゃ―ほんまのこっちゃ」〈滑・膝栗毛・八〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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せい‐もん【誓文】
- 〘 名詞 〙
- ① 神にかけて誓約する文言。誓約のことばやそれを書きしるした文。誓詞。
- [初出の実例]「相真が弟子ども誓文(セイモン)をなむ書きてぞ送りたりける」(出典:発心集(1216頃か)二)
- 「ヨリトモ カラ モ xeimon(セイモン) ヲモッテ」(出典:天草本平家(1592)三)
- ② 相愛の男女が互いに心変わりしないことを誓ってとりかわす文書。多く遊女と客の間でかわされた起請文。誓詞。
- [初出の実例]「背給ふまじとの御誓文(セイモン)のうへにて、とてもの事に二世迄の契」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)五)
- ③ ( 副詞的に用いて ) 神に誓って、そのとおりであること。まちがいないこと。
- [初出の実例]「たがひにちがへぬやうにせいもんでまいらうと云」(出典:天理本狂言・遣子(室町末‐近世初))
- 「わしが心はせいもんかうじゃと、ひったりだきよせしみじみささやく色こそ見えね河与が悦喜」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上)
せい‐ぶん【誓文】
- 〘 名詞 〙 =せいもん(誓文)
- [初出の実例]「時宗がこの事を度々せいふむしつる物を」(出典:幸若・和田宴(室町末‐近世初))
- [その他の文献]〔旧唐書‐則天武后紀〕
ちかい‐ぶみちかひ‥【誓文】
- 〘 名詞 〙 神仏に誓いのことばを書いた文。せいもん。
- [初出の実例]「盟文(チカヒブミ)にあれば今更に渝ゆべからず」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉八)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「誓文」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の誓文の言及
【起請文】より
…誓紙,誓文ともいい,前近代の日本で,人と人とが約束をとりかわすとき,神仏を仲立ちとし,偽りがあればその神仏の罰をうけることを誓うことがあり,その誓いを文書に書いたものを起請文という。起請文は,誓約内容を記した前書とよばれる確言と,もし誓約に背けば神仏の罰をうけるという自己呪詛文言を記した神文・罰文とからなり,しばしば護符の一種である[牛玉(ごおう)宝印]を料紙とする。…
※「誓文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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