(読み)セイ

デジタル大辞泉 「誓」の意味・読み・例文・類語

せい【誓】[漢字項目]

常用漢字] [音]セイ(漢) [訓]ちかう
固く約束する。ちかう。ちかい。「誓願誓詞誓文せいもん誓約祈誓弘誓ぐぜい宣誓
[名のり]ちか

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精選版 日本国語大辞典 「誓」の意味・読み・例文・類語

ちかいちかひ【誓】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ちかう(誓)」の連用形の名詞化 )
  2. 神仏にかけて約束すること。願(がん)。誓約。
    1. [初出の実例]「天皇皇太子、〈略〉共に同じく誓願(チカヒ)を発て始めて銅繍の丈六の仏の像(みかた)各々一躯(はしら)を造る」(出典:日本書紀(720)推古一三年四月(図書寮本訓))
  3. 衆生を救おうとする神仏の誓願。弘誓(ぐぜい)
    1. [初出の実例]「菩薩はみな大悲のひろきちかひをおこして世をわたす事、そのちかひ広し」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  4. あることの実行を、将来にかけて固く約束すること。心に期すること。
    1. [初出の実例]「其笘の屋の女に仮初の誓(チカヒ)して」(出典:浮世草子本朝二十不孝(1686)二)
    2. 「死生背かざるの誓旨(〈注〉チカイ)を述べたり」(出典:浮城物語(1890)〈矢野龍渓〉九)

せい【誓】

  1. 〘 名詞 〙 ちかうこと。また、ちかいのことば。〔文体明弁‐誓〕

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普及版 字通 「誓」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] セイ・ゼイ
[字訓] ちかう・つげる・つつしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は折(せつ)。〔説文〕三上に「束するなり」とあり、折声とする。哲もまた折に従う。折は草木を折る意で、誓約する意があるらしく、また矢を用いることもあって、矢を「矢(ちか)う」とよむ。金文の〔番生(ばんせいき)〕に「丕顯(ひけん)なる皇考、穆(ぼくぼく)として克(よ)く厥(そ)のを誓(てつ)(哲)にし、嚴として上に在り」とみえ、誓を哲の意に用いる。言・口((さい))は祝や誓約を意味し、誓と哲とは字の立意が同じ。〔(ほうせいき)〕に、契約に際して「則ち析す」とあり、これは書券を判つ意であろう。

[訓義]
1. ちかう、約する、ちぎる。
2. あきらかにする、いましめる、つげる。
3. 哲・と通じ、つつしむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕誓 チカフ・イノル・ツツシム

[語系]
誓zjiatは哲・tiatと声義近く、みな折に従う。折は誓約するときの行為で、哲は知、は敬と訓する。晢tjiatは昭明と訓し、心を明らかにすることをいう。

[熟語]
誓戒・誓願誓言誓死・誓詞・誓社誓衆・誓書誓墓誓命誓盟誓文・誓約誓要
[下接語]
戒誓・祈誓・結誓・弘誓・誥誓・言誓・矢誓・死誓・質誓・祝誓・心誓・信誓・宣誓・聴誓・本誓・命誓・盟誓・黙誓・約誓・要誓・立誓

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百科事典マイペディア 「誓」の意味・わかりやすい解説

誓【うけい】

誓約・誓盟とも書く。古代日本で行われた卜占一種。あることがらの吉凶・黒白などを,祈誓して神意をうかがうこと。《古事記》《日本書紀》に天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)が生まれた子で神意を判断した行為を〈うけい〉と表現している。誓湯(盟神探湯(くかたち))・誓酒(うけざけ)などの方法があった。平安時代以降は他への個人的な呪詛(じゅそ)行為を意味するようになった。

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