改訂新版 世界大百科事典 「諸山縁起」の意味・わかりやすい解説 諸山縁起 (しょざんえんぎ) 修験道の根本霊場である近畿地方の大峰山,熊野山,金峰山(きんぷせん),葛城山および笠置山の縁起,由緒を集めた記録。九条良経の子慶政(1189-1268)の所持本(行蓮書写本)が九条家に伝わり,現在宮内庁書陵部に所蔵される。内容は,大菩提山(大峰山)仏生土要事,熊野参詣還向次第をはじめ多数の項目にわたる。各項目の記載は成立を異にし,これが《諸山縁起》として集大成されたのは鎌倉初期と思われる。これらの記事の一部は《金峰山創草記》や《金峰山雑記》《証菩提山等縁起》にも見え,また類似する内容の記載もこれらにある。執筆者:鈴木 昭英 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本歴史地名大系 「諸山縁起」の解説 諸山縁起しよざんえんぎ 一冊成立 鎌倉初期かそれ以前に集成・書写分類 寺院写本 宮内庁書陵部解説 大峯・葛城・笠置の三霊峰に関する縁起を説いたもの。叙述は不整合であるが両界曼荼羅を現実の山岳にいちいち比定し、修験の行場の名称を詳しく記している点で古代山岳信仰の地名を知る貴重な史料。活字本 「寺社縁起」日本思想大系(昭和五〇年)ほか 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by