豊田穣(読み)トヨダジョウ

デジタル大辞泉 「豊田穣」の意味・読み・例文・類語

とよだ‐じょう〔‐ジヤウ〕【豊田穣】

[1920~1994]小説家満州の生まれ。本名みのる海軍軍人として出征し米軍捕虜となった体験を生かした戦記文学や、重い主題を扱った私小説的な作品を執筆した。「長良川」で直木賞受賞。他に「ミッドウェー海戦」「雪風ハ沈マズ」など。

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20世紀日本人名事典 「豊田穣」の解説

豊田 穣
トヨダ ジョウ

大正・昭和期の小説家 「季刊作家」編集主幹。



生年
大正9(1920)年3月14日

没年
平成6(1994)年1月30日

出生地
旧満州・四平街

出身地
岐阜県本巣郡穂積町

別名
旧筆名=大谷

学歴〔年〕
海兵〔昭和15年〕卒

主な受賞名〔年〕
岐阜県文化賞(第1回)〔昭和26年〕「ミッドウェー海戦」,直木賞(第64回)〔昭和45年〕「長良川」,紫綬褒章〔昭和61年〕,中日文化賞(第45回)〔平成4年〕

経歴
艦上爆撃機パイロットになり、ソロモン海域で撃墜され米軍捕虜に。戦後、中日新聞記者、東京新聞文化部次長を務め、昭和51年定年退職。この間22年「ニューカレドニア」で文壇デビュー。24年「帰還」が第1回横光利一賞次席となり、名古屋の「作家」同人として活躍。45年連作長編「長良川」で直木賞受賞。退職後、執筆に専念。若き日の生死の体験を根底に抱えつつ、自己の内面を静察し続けるその創作方法から、重厚な私小説的作品が多い。代表作「ミッドウエー海戦」「昭和交響楽」(3部・20巻)のほか、自伝的作品「母ふたりの記」「海の紋章」、戦争記録文学「蒼空の器」「七人の生還者」「豊田穣戦記文学集」(全11巻)、エッセイ集「男の人生劇場」などがある。平成7年岐阜県図書館に“豊田穣文庫”が誕生した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「豊田穣」の解説

豊田穣 とよだ-じょう

1920-1994 昭和後期-平成時代の小説家。
大正9年3月14日中国四平街生まれ。海軍兵学校卒業後,艦上爆撃機操縦員として従軍。昭和18年ソロモン海域で撃墜され,米軍の捕虜となる。戦後は中部日本新聞社などにつとめた。46年自伝的連作「長良川」で直木賞。「ミッドウェー海戦」などの戦記文学のほか,3部作「昭和交響楽」がある。平成6年1月30日死去。73歳。本名は穣(みのる)。

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367日誕生日大事典 「豊田穣」の解説

豊田 穣 (とよだ みのる)

生年月日:1920年3月14日
大正時代;昭和時代の小説家。「季刊作家」編集主幹
1994年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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