貧道(読み)ひんどう

精選版 日本国語大辞典 「貧道」の意味・読み・例文・類語

ひん‐どう ‥ダウ【貧道】

[1] 〘名〙
仏語。仏道修行の貧しいこと。徳のうすいこと。また、その人。一般に、僧をさしてもいった。
※伝教大師消息(824‐831頃)「无縁慈不貧道」 〔釈氏要覧‐上〕
② 転じて、貧乏のこと。
地蔵菩薩霊験記(16C後)四「倶に貧道に落ち入りけるほどに生平(せいへい)心に叶はぬ事ばかりなれば」
[2] 〘代名〙 自称僧侶自分をさして、謙遜していう語。拙僧
性霊集‐一(835頃)「貧道与君遠相知。山河雲水何能阻」 〔僧史略‐下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「貧道」の意味・読み・例文・類語

ひん‐どう〔‐ダウ〕【貧道】

[名]仏道修行の乏しいこと。
「我―にして何ぞ一日うちに書き終はらんやと」〈今昔・七・二三〉
[代]一人称人代名詞。僧侶が自分をへりくだっていう語。拙僧。
「―二十八歳の時、遁世の門に入りて」〈雑談集・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「貧道」の読み・字形・画数・意味

【貧道】ひんどう(だう)

僧侶の謙称。〔世説新語言語林()常に數匹の馬をふ。或ひと言ふ、人の馬を畜(やしな)ふは(みやび)やかならずと。曰ふ、は其の駿(しんしゆん)を重んずと。

字通「貧」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android