貧道(読み)ヒンドウ

デジタル大辞泉 「貧道」の意味・読み・例文・類語

ひん‐どう〔‐ダウ〕【貧道】

[名]仏道修行の乏しいこと。
「我―にして何ぞ一日うちに書き終はらんやと」〈今昔・七・二三〉
[代]一人称人代名詞僧侶自分をへりくだっていう語。拙僧
「―二十八歳の時、遁世の門に入りて」〈雑談集・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「貧道」の意味・読み・例文・類語

ひん‐どう‥ダウ【貧道】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 仏語。仏道修行の貧しいこと。徳のうすいこと。また、その人。一般に、僧をさしてもいった。
      1. [初出の実例]「无縁慈不貧道」(出典:伝教大師消息(824‐831頃))
      2. [その他の文献]〔釈氏要覧‐上〕
    2. 転じて、貧乏のこと。
      1. [初出の実例]「倶に貧道に落ち入りけるほどに生平(せいへい)心に叶はぬ事ばかりなれば」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)四)
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 自称。僧侶が自分をさして、謙遜していう語。拙僧。
    1. [初出の実例]「貧道与君遠相知。山河雲水何能阻」(出典:性霊集‐一(835頃))
    2. [その他の文献]〔僧史略‐下〕

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普及版 字通 「貧道」の読み・字形・画数・意味

【貧道】ひんどう(だう)

僧侶の謙称。〔世説新語言語林()常に數匹の馬をふ。或ひと言ふ、人の馬を畜(やしな)ふは(みやび)やかならずと。曰ふ、は其の駿(しんしゆん)を重んずと。

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