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買物依存症 かいものいぞんしょう

百科事典マイペディアの解説

買物依存症【かいものいぞんしょう】

自分自身やめたいと思っているにもかかわらず,買物をしたいという気持ちをコントロールできずに,大量の衝動買いを繰り返してしまう病気。主婦や若い女性に圧倒的に多い。男性の場合は,部下におごったり,ギャンブル依存症になるなど,物に執着するのではなく浪費してしまう傾向が強い。1992年米国で,精神療法家C.ウェッソンが書いた《Women Who Shop Too Much(買物しすぎる女たち)》がベストセラーとなり,それまでは病気として理解されず,単なる〈意志の弱い人〉として取られることが多かったこの症状が,現代病として認識されるようになった。 同じ依存症でも,アルコール依存症薬物依存症の患者たちは,他人が見てもすぐにわかるほど態度を変え,次第に生活を破壊していくため,社会的にも注目を集めやすい。しかし買物依存症の人は,家庭内や会社においてはそれなりに〈普通の人〉を演じることができるため,身近な人間も気づかないまま進行し,多額の借金の返済に迫られたり大量の商品が見つかったりして,はじめて表面化することが多いことも特徴である。 原因の第一はストレスで,自分で何ひとつ決断できない幼児期を過ごした人や,現在も自分の存在を認められていないと感じている人などが陥りやすい。また,高額な商品でも,サインひとつで買物ができるカード社会,無担保で金を貸す消費者金融などの存在など,現代が抱える社会的環境が与えている影響も大きい。 治療法は嗜癖(しへき)を専門とするカウンセラーによるカウンセリングが中心。買物をすることで他者から認められるのではなく,自分自身の存在意義を患者が自ら見つけ,怒りや不安などの感情を処理する新たな方法を模索することが不可欠である。また,同じ病気に悩む患者たちのセルフヘルプグループが治療に有効とされ,米国では活発に活動しているが,日本にはまだない。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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