赤煉瓦(読み)あかれんが(その他表記)common brick
red brick

精選版 日本国語大辞典 「赤煉瓦」の意味・読み・例文・類語

あか‐れんが‥レングヮ【赤煉瓦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 赤褐色に焼いた普通の煉瓦。⇔白煉瓦
    1. [初出の実例]「塀は赤煉瓦で、御門は総欅(そうけやき)」(出典:初すがた(1900)〈小杉天外〉四)
  3. 鮭をいう、囚人仲間の隠語。〔隠語全集(1952)〕
    1. [初出の実例]「アカレンガはシャケで、シロレンガは豆腐のことだ」(出典:いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「赤煉瓦」の意味・わかりやすい解説

赤煉瓦 (あかれんが)
common brick
red brick

建築材料として用いられる赤色煉瓦。日本では幕末に輸入されて使用されはじめ,明治時代に入ると国内でも生産され,安価でかつ赤色の特徴を生かした美しい材料として,構造材,仕上材に多量に使用されてきた。大正時代には鉄筋コンクリート進出があり,さらに耐震性に劣る問題点があり,本来の構造材料としての用途は減少して,その赤色を生かした装飾材料としての用途に利用されるようになっている。欧州などでは長い伝統に培われて,現在でも広く利用され,重要な建築材料となっている。

 原料不純物の多い低級粘土を主原料として,これに必要に応じて適量の川砂,石灰を混ぜたものである。この原料土を混合し,水を加えて土練機で練り合わせ,押出成形する。これを乾燥して,トンネル窯で1100℃前後で焼く。この焼成温度は従来900~1000℃程度であったが,トンネル窯で多量に均一焼成ができるようになって,品質を向上させるためにより高い温度で焼成されるようになってきた。粘土中に含まれる酸化鉄発色によって赤色を呈するため,一般に赤煉瓦と呼ばれるが,日本工業規格では普通煉瓦と規定され,長さ210mm,幅100mm,厚さ60mmと定められている。またその品質は3種に区別され,吸水率23~17%以下,圧縮強さ100~200kgf/cm2以上と定められている。21cm×6cm面を長手,10cm×6cm面を小口と呼び,この一方または両方が煉瓦を積んだ場合に,外面に現れることが多い。煉瓦の原形を〈並形〉または〈お生(なま)〉といい,切断した煉瓦を〈役物〉と呼ぶ。この一般的なものを図に示す。アーチ状に煉瓦を積む場合には〈せり形〉と呼ばれる異形煉瓦が用いられるが,さらに特殊な形状をした異形煉瓦も必要に応じて使用される。
煉瓦造建築
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百科事典マイペディア 「赤煉瓦」の意味・わかりやすい解説

赤煉瓦【あかれんが】

土木や建築に用いる赤色の煉瓦鉄分を含む不純な粘土,川砂等を混練し,プレス成形後1100℃前後で焼成して作る。赤色は含まれる酸化鉄による。日本では明治の初め以来大正まで建築構造用に使われてきた。耐震性が劣るため鉄筋コンクリートの進出とともに関東大震災以後は装飾材,間仕切り,塀(へい)等のほかはあまり使用されない。日本工業規格では普通煉瓦と規定され,長さ210mm,幅100mm,厚さ60mmと定められている。

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