デジタル大辞泉
「走らかす」の意味・読み・例文・類語
はしら‐か・す【走らかす】
[動サ四]
1 走るようにする。走らせる。
「男どもあまた―・したれば」〈徒然・八七〉
2 耳目が働くようにする。
「いいかげんに空耳を―・せえ」〈人・梅児誉美・後〉
3 屏風・幕などを引きめぐらす。立てめぐらす。
「隔子の内には金屏風―・し」〈仮・東海道名所記〉
4 汁などに調味料をちょっと加える。また、手軽な食事をとる。
「薄鍋に醤油を―・し、日本一の御吸物ありと」〈浮・諸艶大鑑・一〉
5 割ることを、船乗り仲間が忌んでいう語。
「素頭微塵に―・し」〈浄・千本桜〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はしら‐か・す【走かす】
- 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「かす」は接尾語 )
- ① 走らせる。駆けさせる。また、かけつけさせる。逃走させるのもいう。
- [初出の実例]「おりのぼり、はしらかして見ありく君だちくるまの」(出典:前田本枕(10C終)二〇一)
- 「浅ましくて、をのこどもあまたはしらかしたれば」(出典:徒然草(1331頃)八七)
- ② 目や耳などを、すばやく働かせる。
- [初出の実例]「いいかげんに空耳をはしらかせヱ、つんぼうめヱ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後)
- ③ 屏風や幕などを引きめぐらす。張りわたす。立てめぐらす。
- [初出の実例]「新村柳のもんのまくをはしらかしたり」(出典:本福寺跡書(1560頃)生身御影様大津浜御著岸之事)
- 「隔子の内には金屏風はしらかし」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)六)
- ④ 刀をさやから抜き放つ。さやを払う。
- [初出の実例]「渡辺大長刀をはしらかし」(出典:浄瑠璃・花山院后諍(1673)二)
- ⑤ 割る意の船乗りの忌み詞。ひびを入らせる。くだく。
- [初出の実例]「素頭微塵にはしらかし、命を取り楫此世の出船と」(出典:浄瑠璃・義経千本桜(1747)二)
- ⑥ 汁などに醤油や油などをちょっとたらし込んだり、菜などをちょっとつまみ込んだりする。手軽に調理する。転じて、手軽に食事をとる。流しこむ。
- [初出の実例]「さていりざけに酢をくはへはしらかし、なます半分にかけて」(出典:料理物語(1643)一〇)
- 「薄鍋に醤油をはしらかし」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)一)
走らかすの補助注記
中世末から現われる語で、「前田本枕草子」「堺本枕草子」にも若干の例があるが、三巻本系の諸本や能因本に見られないところから、後世の混入と見られる。
わしら‐か・す【走かす】
- 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「かす」は接尾語 ) 走らす。走らせる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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