踏まえる(読み)フマエル

デジタル大辞泉 「踏まえる」の意味・読み・例文・類語

ふま・える〔ふまへる〕【踏まえる】

[動ア下一][文]ふま・ふ [ハ下二]
しっかりと足で踏みつける。「大地を―・えて立つ」
判断のよりどころにする。根拠とする。「経験を―・えた助言」「事実を―・えて論じる」
あれこれ思案する。配慮する。
左様後先―・へ用心せば」〈仮・可笑記・五〉
支配下に入れる。掌握する。
石川の城を―・へさせて」〈太平記・二七〉
[類語]踏む踏みつける踏ん張る踏み締める踏ん付ける踏み抜く踏み潰す踏みにじる踏み荒らす踏みしだく

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精選版 日本国語大辞典 「踏まえる」の意味・読み・例文・類語

ふま・えるふまへる【踏】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]ふま・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 足の下にする。踏みつけて押える。物の上にのぼって、力を加えるようにして立つ。ふまゆ。
    1. [初出の実例]「人々、あまたありける限り重なりて、衣の裾をおのおのふまへつつ、すきすきに倒れ伏したるは」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)三)
  3. 押えつけて、活動できないようにする。支配する。配下におさめる。
    1. [初出の実例]「畠山左京大夫清国紀伊国の守護にて坐しけるを呼び奉りて、石川の城をふまへさせて」(出典:太平記(14C後)二七)
  4. あれこれ思案する。考慮する。
  5. 判断のよりどころにする。根拠とする。心だのみとする。
    1. [初出の実例]「とつこもしたに仁義をふまえたぞ」(出典:古文真宝桂林抄(1485頃)坤)
    2. 「以上述べてきたような事実を踏まえた上で」(出典:小説平家(1965‐67)〈花田清輝〉三)

踏まえるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→ふまゆ(踏)

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